先日来、STAP細胞のことが大きな話題になっている。
日本発の研究であることに加えて、若い女性研究者であることが、より注目される一因になっているようだ。とはいえ、この注目度は海外のメディアが大きく取り上げたことで、日本でも注目された。いわば、逆輸入の騒ぎだった。基礎研究はなかなか一般的には注目を集めにくいのだが、海外で評価されると日本でも注目が集まる……というのがいつものパターン。
以下は、量子コンピュータに関する、画期的な成果のニュース。
新技術:量子コンピュータ実現に向けさらに前進――量子エラー訂正に成功 – EE Times Japan
筑波大学と日本原子力研究開発機構(JAEA)量子ビーム応用研究部門 半導体耐放射線性研究グループは2014年1月30日、ドイツとの共同研究により、ダイヤモンドを用いて室温で固体量子ビットの量子エラー訂正に「世界で初めて成功した」と発表した。量子エラー訂正は量子コンピュータの実現に不可欠とされ、今回の研究成果について、筑波大学などは「大きなブレークスルー」とする。
これはかなりスゴイ!
STAP細胞よりも注目していいかもしれない。
スパコンの世界一を目指して、各国がしのぎを削っているが、現状はコアをどれだけ多く使えるかの物量しだいになっている感がある。
しかし、量子コンピュータが実用化できると、そういうレベルとは次元が違ってくる。
現在のコンピュータが、技術や社会を大きく変えて、世界を情報化したわけだが、量子コンピュータはその世界をさらに激変させる可能性を秘めている。量子コンピュータの前では、現在のスパコンは石器時代の代物みたいになる。
克服しなければいけない技術的な壁は多いが、そのひとつの壁を乗り越えられた……というのが、このニュースの成果。
私が生きているうちに量子コンピュータは実用化できないかもしれないが、日本がその主導権を握って欲しいものだ。
火星に人類が足跡を残すのを見たいと思っているのだが、量子コンピュータが作り出す未来も見てみたい。日本の宇宙開発では火星は無理っぽいが、量子コンピュータは可能な気がする。
おおいに期待したい。
その後、STAP細胞は捏造であることが判明し、科学界の一大スキャンダルになった。