アクリル板がコロナ感染の一因になる?

ちょっと考えればわかりそうなことなのだが、見た目だけの感染対策に無駄な労力と金を浪費している一例の記事。
店舗などで使われているアクリル板が逆効果だという検証。

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 まん延防止等重点措置の実施により、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の飛沫感染防止対策として、飲食店などにアクリル板やビニールシートの設置が求められているが、これらはどの程度有効なのか。電気通信大学i-パワードエネルギー・システム研究センター教授の横川慎二氏らは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のクラスター発生地点における換気状態を評価し、マイクロ飛沫の動きを分析。その結果、アクリル板やビニールシートによる空間の遮蔽が空気を滞留させ、換気状態が悪化、結果としてマイクロ飛沫感染のリスクを高める可能性があることを明らかにした。

図.熱流体シミュレーションによる解析結果(感染者の呼気がパーテーション区画内に広まる様子)

ビニールシートが無意味というのは、約1年前の過去記事「レジ前のビニールカーテンは無意味」(2020年4月19日付)にも書いたが、今ごろになってようやく役に立たないことが証明されている(^_^)b

アクリル板やビニールシートは、見た目だけの根拠のない安心感を「演出」しているだけ。
そんなので防げるなら、誰も苦労しない。
ウイルスが目に見えないから、「やってる感」だけの対策だ。

店舗などの室内の条件は、それぞれで異なるから、アクリル板が逆効果になることは容易に考えられる。しかし、役所の職員がチェックするのは、アクリル板があるかどうかであって、効果があるかどうかではない。

重要なのは、感染予防として機能しているかどうかだ。
それを科学的に検証しなければ、対策の意味がない。
つまり、厳密なチェックをするのであれば、ひとつひとつの店舗で、スモークを炊くなどして空気の流れを調べ、アクリル板が換気の邪魔をしていないかどうかを確認する必要がある。
その上で、「感染防止徹底宣言ステッカー」を付与しなくてはいけない。
アクリル板を置いてあればOKでは、形だけでしかない。
ようするに、このステッカーも気休めでしかなく、「やってます感」のインチキなんだ。

記事中で書かれている「マイクロ飛沫」というのは、新型コロナ発生以降に頻繁に使われ出した用語で、それ以前にはなかった概念。ちょっと遡って調べてみると、2019年6月以前に、「マイクロ飛沫」という単語は出てこなかった。表現としては「空気媒介飛沫核(5マイクロメートル以下の飛沫核)」というのがあった。

つまり、マイクロ飛沫による感染は「空気感染」なんだ。
ところが、新型コロナが流行し始めると、空気感染とはいわずに「マイクロ飛沫」という造語で誤魔化してきた。

また、スーパーなどの店頭に置いてあるアルコール消毒も、実質的な効果はないだろうね。これは前にも書いたかな?
最近は、足でペダルを踏んでボトルからプシュと少量のアルコールが噴き出すものが多くなっている。観察していればわかるが、多くの人はそのアルコールを手に付けて、二〜三度ほど手を叩くようにして終了だ。
いやいや、それでは消毒にならないでしょ?
手指全体をくまなく、指の間も丁寧にアルコールで消毒するならまだしも、ペッペッと気持ちアルコールを付けるだけでは、気休めにしかならない。
あれも無駄だし、やってます感だけ。

マイクロ飛沫感染……言い換えると、空気感染するコロナウイルスには、アクリル板は無駄!
イメージしやすいように例えるなら、タバコを吸ってる人の煙を、そのアクリル板で防げますか?……ってこと。
タバコの煙で、人が吸って吐き出す煙が白いのは、肺の中で水分と結びつくからなんだ。その粒子の大きさは0.5〜1㎛で、マイクロ飛沫と同等である。

喫煙者の吐き出す煙を、どうしたら排除できるか?
そう考えれば、マイクロ飛沫をどうすれば排除できるか、想像力が働くと思う。
アクリル板が役に立たないのは明白だ。

諌山 裕

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