冬にコロナは広がりやすいメカニズム

冬は、ウイルスにとって、なぜ感染(増殖)しやすいのか?
新しい論文で、きわめて明快なメカニズムが示されている。
このようなレポートは初めて見た。

なぜ冬にコロナは広がりやすいのか? 理由は「密閉」の他にも | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

 論文によると、低い気温と極端な湿度がウイルスを安定させ、感染力を持続させることが明らかになった。極端な湿度とは、高すぎる湿度も低すぎる湿度も含まれる。その仕組みはこうだ。

気温が下がると、ウイルスの分解が遅くなる。つまり、感染者の口から飛び出た飛沫の中でコロナウイルスが長時間生存できるようになる。

そして、湿度が低く空気が乾燥していれば、飛沫の水分が蒸発して、飛沫は小さくなる。すると、ウイルスは他の物質と接触しやすくなり、不活性化されやすくなるのだが、飛沫があるレベル以上に小さくなると、今度は内部の塩分がウイルスとともに結晶化してしまう。このウイルスはそのまま新しい宿主の気道に侵入して溶け出し、再び目を覚ます。

これはすごいな。
謎が解けた気分。
特に「内部の塩分がウイルスとともに結晶化してしまう」という部分。
ある意味、仮死状態で漂い、誰かの気道にたどり着いたら、ゾンビのごとく目覚めるというわけだ。

これが示しているのは、完全なる空気感染だ。
結晶化ウイルスが浮遊しているとなると、かなり広範囲に拡散することが可能だと想像できる。
しかも、それは水分を含まず、飛沫ではない極小の粒子ということになる。
そのサイズが0.3㎛以下とかいうのであれば、どんなマスクも、N95マスクですら素通りだ。

これが現在の感染状況の背景にあるとすれば、もはや対策として打つ手はない。
感染者が増えるのは必然だ。

ワクチン待ちではあるが、それまでにできることといえば、早く感染して抗体を作ることじゃないかな。そういう意味では、インフルエンザと同等扱いにして、無症状の人は入院ではなく自宅待機でいいんだよ。

重症化リスクのある人は、感染を避けた方がいいのはもちろん。
しかし、「かかりにくいヒト」は感染して抗体ができれば、このコロナ禍からは上がりになれる。
ワクチンは、意図的に疑似感染状態を作って抗体を作るのが目的だからね。ワクチンを打つということは、自発的に感染する、ということでもある。

要は抗体を早く体内に作ること。
それが最善の対策だ。

諌山 裕

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