イーロン・マスク氏の野望である、火星への有人着陸だが、6年後を目指しているという。
夢と希望は大切だが、かなり無茶な気がする。

イーロン・マスク氏、火星有人着陸の見通しに言及(字幕・2日) | ロイタービデオ

米民間宇宙企業スペースXを率いるイーロン・マスク氏が、火星有人着陸の見通しに言及した。 「今から6年ほどだと自信を持っている。火星と地球が近づくのは大体26カ月に一度。6年後は自信を持っていて、ラッキーなら4年もあるかもしれない」

マスク氏は相当な楽天家らしい。
4年後だと、月への有人着陸が再開できるかどうかの段階だろう。
いきなり火星はないと思うぞ(^_^)b

昨日は、火星行きのためのロケット、Starshipの最新プロトタイプの打ち上げ実験が行われたが、着陸に失敗している。

▼着陸直前

▼ドッカーーン!!

失敗を経て、完成度を上げていくわけだが、スペースXは打ち上げ頻度が多い分、失敗の回数も多くなっている。

スペースXの計画では、火星への着陸は垂直着陸を目指しているようだから、この着陸シーケンスが鍵ともいえる。整備された地球のプラットホームで失敗すると、ただの荒れ地の火星の大地では難易度は増す。次の段階としては、モハベ砂漠のような火星に似た環境での垂直着陸を成功できるかどうかではないだろうか?

月に人間を送る場合は、アポロがそうだったように、打ち上げたロケットの一部を宇宙船として月まで飛ばすことになる。それは数日で到達できる距離だからだ。

しかし、火星への往路は早くても8か月はかかる。
そのための宇宙船をどうするのかの問題は解決していない。月行きの宇宙船のように小さく、狭っ苦しい宇宙船では、乗員はストレスで堪えられないかもしれない。ある程度の快適性は必要なはずで、それを宇宙ステーションなり月基地なりで建造する必要があると思う。

Netflixオリジナルドラマ「AWAY」に出てくる火星行きのシナリオが、現段階で可能な理想像だろう。「AWAY」では、月で宇宙船が建造された。
それをすっ飛ばして、窮屈な宇宙船で人間を火星に向かわせるのは、無謀というか決死の覚悟の片道切符になる。帰りはどうするのかの問題は、棚上げされたまま。
それでもチャレンジするべきなのかどうか。

6年後に、人類は火星に降り立っているだろうか?
私は悲観的だ。
生きているうちに、その日が来ることを願ってはいるが、もっと先の話だと思う。

諌山 裕

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