フロッピーディスク(FD)の現物を見たことがない人が多くなっているのか……と思った。
8インチ、5インチ、3.5インチとサイズは違えど、FDの時代は長かった。
それも今や過去の遺物。

フロッピーディスク「アニメや映画でしか見たことない」「黒電話とかの仲間だと」 これが最近の認識です: J-CAST ニュース

きっかけとなったのは、日本経済新聞(電子版)で2020年11月30日に配信された「地銀、フロッピーディスクの取り扱い終了相次ぐ」の記事。読み取り装置の製造終了などを理由として、取り扱いの終了が進められているというフロッピーディスク。1971年に開発され、最盛期は1990年代。2000年頃以降は徐々に廃れていった製品であることから、ネット上では未だ取り扱いがあったことに驚く声が多い。

(中略)

「トレンドに入ってるけどフロッピーディスクの実物って見たことないもんなぁ……」「基本アニメや映画でヤバいデータやり取りするときにしか見たことない」「フロッピーディスク、分野的にも知ってはいますがあくまで教科書レベル。現物見たことないんですよね…」「黒電話とかの仲間だと思ってたからまだ現役だったのが意外」など、フロッピーディスクという単語は知っていてもイメージがわかないとする声も多かった。

転載されたYahoo!ニュースのコメント欄には、コンピュータ昔話を書き込む人が多かった。
FDも昔話のネタか……。

私が最初に買ったソニーのデジカメは、FDが記録媒体だった。画素数は少なく、画像サイズも小さかったのでFDの容量(1.4MB)で足りたのだ。

PC98時代は、5インチFDだったね。ドライブが2つあって、1つはシステムディスク、もう1つが保存用データディスク。システムがFDで起動できるんだから、いかにシステムが軽かったかがわわるというもの。MS-DOSの時代だ。

とまぁ、多くの人のコンピュータ昔話は、5インチFDが主流だったMS-DOS時代頃から始まっている。一般ユーザーにパソコンが普及し始めたのが1980年代なので、そういうことになる。当時はマイクロコンピュータもしくはパーソナルコンピュータと呼ばれた。パソコンはその略称として後年定着した

それ以前を語る人は少ない。
なぜなら、個人では持てない代物だったからだ。したがって、パソコン以前のコンピュータを扱っていた人も少ない。初期のコンピュータを導入していたのは、大学や銀行などの一部だけで、携わる人は限られていたのだ。
オフィスコンピュータ、略してオフコンと呼ばれていた。
1960〜70年代の話。

その当時のコンピュータは、大型冷蔵庫くらいの大きさがあり、記録装置はオープンリール式の磁気テープやバケツのような磁気ドラムだった。その装置自体もかなり大きい。
もっと廉価なものとしては、カセットテープがあったが、大きさが小さいということは記憶容量も小さいということで、用途は限定的だった。

さらに廉価なものが、穴あきの紙テープだ。「穿孔テープ」(せんこうテープ)とも呼ばれた。
その写真が以下。

当時、私が通っていた高校には、最先端のコンピュータが導入されていた。
で、私たちは授業でそいつを扱い、コンピュータの勉強をした(^_^)
この紙テープは懐かしいね。
プログラムを組んで、それをデータとして残すために、この紙テープを使う。ミスの部分があるとハサミで切断し、新しい紙テープを糊づけしてつなぎ合わせていた。そのための専用の道具があったのだ。
今では考えられないような、牧歌的なコンピュータである(^_^)b

現在では、データは磁気あるいはメモリとして、目に見えない形になっているが、紙テープは「モノ」としてデータが見えるアナログな世界だったわけだ。
初代ウルトラマンの中には、この紙テープを見て「うんうん」と納得するようなシーンがあったりしたが、穴の配列を覚えていれば読めなくはないが、文章として出力しているわけじゃないから、あまり意味はない。

オープンリールの磁気テープは、現在でもバックアップ用に使われているという。読み書きに時間はかかるものの、保存という観点からは長期保存に適しているとのこと。HDDやSSDは、経年劣化が早いからね。

フロッピーディスクも、ついに終焉か。
次に過去の遺物となるのは、CDなどの光ディスクかな。

諌山 裕

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