私のブログは、ある記事を取り上げて「それは違うぞ」とツッコミをいれるのが基本(^o^)
著名な人や専門家が書いた記事でも、「んん?」と疑問に思うことは少なくないからだ。
推敲をしていないのか、浅はかなのか、そもそも知らないのか、ツッコミどころのある記事が多い。

しかし、今日取り上げる記事は違う。
この記事は素晴らしい分析・検証記事である。
じつに論理的だ(バルカン人風に)。

独身が増え続ける原因を「若者の恋愛離れ」にしたがるメディアの大ウソ 今も昔も恋愛強者は3割しかいない | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

人間とは不思議なもので、事実を信じるのではなく、自分が信じたいものを事実と考えるようになるものです。それが、たとえ虚構だったとしても。つまり、信じたくない事実は、事実として認められず、闇に葬り去られるのです。

日本の未婚化・非婚化を論じるときに必ず「若者の草食化」とか「若者の恋愛離れ」という話が出てきます。これは、裏返せば、昔の若者は草食ではないし、恋愛力も高かったということを言いたいのかもしれませんが、果たしてそれは本当でしょうか?

今月14日に、NHKが「結婚や異性と交際していない人増加 女性は20年で1.5倍に」というニュースを報じ、話題になりました。こういう報道を見て、世のおじさんたちは「そうだな、その通りだな。イマドキの若いもんは……」と膝を叩くのでしょう。しかし、申し訳ありませんが、少なくとも「恋愛において若者が草食化した」などという事実はありません。虚構です。

(中略)

1982年から2015年までの30年強の長期的なスパンでみれば、男女とも「恋人がいる率」というのはいつの時代も2割~3割台程度の間に収まっていると見た方が妥当です。これを僕は「恋愛強者3割の法則」と名付けています。

(中略)

さて、「恋人がいる率」のグラフをご覧になって、何か違和感を覚えた人もいると思います。男女で「恋人がいる率」に10ポイントもの差があることです。1982年こそほぼ男女同率でしたが、1987年以降はほぼ女性の「恋人いる率」がいつも男性より高くなっています。

(中略)

この男女の率の差は、そもそものこの年代の未婚男女の人口差によります。

2015年の国勢調査によれば、20~34歳までの未婚男女は、男性の方が約99万人も多いのです。20~50代までに拡大すれば、未婚男性が女性より300万人も多い「未婚の男余り現象」といいます。

(中略)

婚姻数が減った原因とは、見合いと職場婚という社会的な結婚お膳立てシステムの崩壊によるものであり、草食化や恋愛離れなどという若者の意識の問題ではないと解釈すべきです。

詳しくはリンク元を読んでもらいたい。
スカッとする分析と検証だ。
うん、気持ちがいい(^○^)
こういう記事は久しぶりに読んだ。

恋愛強者3割の法則」はいいね。
私は「9割の医者はヤブ医者説」とか「どんなグループでも、できるヤツは1割程度説」とか唱えてるけどね。これは同じことを別の視点から見てるんだけど。
たとえば、野球でホームランバッターを9人並べれば、最強のチームになるかといえば、そこそこ強いチームにはなっても、9人が連続ホームランを打つわけじゃない。そのチーム中(ベンチ入りできる選手は26人)で活躍するのは1割程度、つまり1人か2人なんだ。1人も活躍できないと、先日の日本シリーズのように巨人は全敗してしまう。

私は妻と大恋愛したので、3割の方だけどね(^o^)
私の周りを見ると、独身の男女は多い。バツイチも多い。
「金がないから結婚できない」という屁理屈もよく聞くが、結婚するのに金はかからない。役所に婚姻届を出せば結婚成立だ。届け出は無料である。
私たち夫婦も、区役所に婚姻届を出しただけ。結婚式はしていない。肝心なのは夫婦として一緒に生きていくことであって、盛大な結婚式を挙げることではない。

「若者の恋愛離れ」論は、「最近の若者は」論と同じだね。
最近の現象をなにか特別なもののように感じる人が、都合のいいデータを並べて「若者の恋愛離れ」と名付けたのだろう。
「ゆとり世代」とか「ミレニアル世代」なんかも同様だ。
ごくごく一部の人たちの特徴が、あたかもすべてそうであるかのようにカテゴライズしてしまう。
じつは、そういうのは机上の空論であることが多く、虚構と現実の区別がつかなくなっている。

この「若者の恋愛離れ」説は、「木を見て森を見ず」の典型例だ。もっといえば、「森を見て地球を見ず」という視点も存在する。
ある現象が起こっている原因や理由を探るとき、偏ったデータしか見ていないと、真の原因にたどり着かなくなってしまう。
使ったデータに基づけば間違ってはいないが、現象の本質の答えとして不十分という結論だ。

これは、現在起こっている新型コロナや地球温暖化の問題にも当てはまる。

新型コロナ問題は何度も取り上げているが、専門家たちの言っていること、書いていることに、盲点や偏りがあり、「それは違うのでは?」とツッコミを入れている。

そのいい例が「マスク効果」だ。
「マスクをすれば感染予防効果がある」としながら、「このままでは第三波の感染拡大は止められない」という。

あれ?
マスクしてれば予防できるんだよね?
いま、み〜んなマスクしてるよね。
だったら対策はバッチリじゃないの?
マスクしてれば感染拡大しないはずだよね?

当人は気づいていないのかもしれないが、言ってることの整合性がない。マスクしていても感染拡大が止まらないのなら、マスク効果はないといってるのと同じではないのか? あれほどマスク効果を強調していたのはなんなんだ?……と思ってしまう。

マスク効果についての専門家の言い方にも問題があった。
マスクの防御効果は7割。残念ながら、マスクをしていても3割の人には感染してしまいます
と、言う必要があった。下線部が抜けていたのだ。
効果だけを強調してしまったので、マスクをしていれば大丈夫という誤解が生まれた。

「感染対策の徹底」が呼びかけられているが、なにをしたら徹底なのかの明示がない。
たとえば、「マスクは10枚重ねにするとよい」とか「手洗いは1時間かけるようにしましょう」とか「息を止めていれば感染しません」とか(^○^)
それは冗談としても、具体的な提案がなにもなく、漠然と徹底しろという。
マスク効果を唱える人たちは、ここまで来ても、いまだにマスクの種類を限定しない。「サージカルマスクおよびN95マスク以外はNG」と、なぜ断言しないのか? それが「徹底」のひとつではないのか? どこかの業界に忖度でもしているのか?

温暖化問題では、二酸化炭素の排出量ばかりが問題にされる。
そして、悲観的な未来予想がひとり歩きしている。
いつの時代を基準にするかで、温暖化の程度は変わってくる……というのは、これまでにも書いた。温暖化がひどくなったかのように見せるために、比較対象の時代を設定しているのは恣意的である。

そして、温暖化の最大の原因が、人口過多であることには、誰も触れない。最近になって、少しずつ人口過多について触れる人が出てきたが、人口問題を抜きにして温暖化問題の解決はありえない……ということは目隠しされている。

事実を信じるのではなく、自分が信じたいものを事実と考えるようになる」というのは、ものの見方や判断を狂わせる最大要因だね。

権威ある専門家たちが、新型コロナの空気感染を認めないのは、彼らが信じたくないからだろう。それを認めてしまうと、これまで自分のいってきたことが通用しなくなるという不都合もある。
また、「空気感染」という響きやイメージは、「防ぎようがない」というパニックを起こすかもしれない。

政府の対策が後手だと批判を浴びるが、専門家たちの認識も後手だと思う。
最悪の事態を想定するなら、早くに空気感染の可能性を対策の中に反映させるべきだった。事実から目を反らしていたのだ。

温暖化問題も同様だ。
自動車を電気自動車にすることが解決策ではない。地球全体のエネルギー消費量を劇的に削減する必要がある。化石燃料を燃やさなくても、大量のエネルギーを消費するということは、どこかでその代償を払うことになる。温暖化問題とはエントロピー増大の法則でもあるからだ。

つまりは、人口問題に帰結する。
人口が多すぎるから大量のエネルギーを消費する。いかにして適正人口まで、地球の人口を減らすかを論じなくてはいけない。現在の人口の10分の1であれば、環境負荷は軽減されるだろう。
日本でいえば、人口1千万人は江戸初期の時代である。人口1千万人なら、自国内で自給自足できるだろうし、過密さはなくなるのでパンデミックも起こりにくい。パンデミックは人口過多が原因でもあるのだ。

寄り道が多くなった。
本日の結論は……

「若者の恋愛離れ」は大ウソである。

……となる(^^)。

諌山 裕

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