東京の梅雨明けは８月にずれ込みそうだが、このクソ暑いのにほとんどの人がマスクをしている。
要請という名の実質的に強制されているため、あるいは同調圧力のため、マスクをしないことの方が勇気がいる状況。
新型コロナ騒動以前は、マスクは花粉症の人の必須アイテムだった。
それともうひとつ、花粉症ではないがマスクで顔を隠すのに依存してしまう、マスク依存症の人たちがいた。
2017年2月の記事に、以下のようなことが指摘されていた。
“マスク”依存社会－あらたな現代の｢国民病｣を考える |ニッセイ基礎研究所
最近、国内では花粉やインフルエンザなど保健･衛生上の用途とは別に、｢顔を隠す｣ためにマスクをする人が増えているという。女性がスッピンを隠したり、男性が無精ひげを隠したり、鼻や喉の保湿効果などのメリットもあるという。人によっては外見がひどく気になって対人恐怖症になり、自分の表情を読み取られたくないといった心理的効果からマスクを手放せない人もいるそうだ。
しかし、マスクを常用するようになると、マスクをはずすことに対する不安が募り、人との直接的な会話が巧くできず、一種の引きこもり状態に陥りかねない。電子メールやＳＮＳが広がった今日、匿名や直接顔をあわせないコミュニケーションを好む人も多い。他者とのコミュニケーションが苦手になり、“face to face”の人間関係が希薄になっている現れかもしれない。
（中略）
マスクで顔を隠すことで対人不安を和らげたり、心身の自信のなさやコンプレックスをカバーするなど、マスクは現代生活の自己防衛手段のひとつかもしれない。しかし、過度な｢マスク依存症｣になると食事や入浴、睡眠中以外はマスクなしでは過ごせなくなるなど、社会生活上の問題も多いだろう。マスクが不可欠な花粉症は文明病のひとつだが、日常の複雑な人間関係における｢マスク依存症｣が、“社会的孤立”というあらたな現代の｢国民病｣にならないかと懸念されるのである。
新型コロナはマスク依存症を蔓延させたともいえる。
みんながみんなマスクをしているから、外したくても外せない。マスクをしていないと目立ってしまう。感染防止対策としてではなく、「みんなといっしょ」「悪目立ちしたくない」という意識が働いているように思う。
１億総引きこもりか？
マスクの感染予防効果は限定的だが、マスクをすることで感染しないという間違った安心感を与えてもいる。マスクをしていても、約３割は感染するという実験結果がある。100人中33人は、かなり確率だ。ただし、これはサージカルマスクの場合で、布マスクやウレタンマスクに予防効果はほとんどない。
マスク効果の最大の利点は、顔を隠すことだろう。
顔の約３分の２が隠れるから、人相はわからなくなるし、表情もわからなくなる。
そう。
これはリアル匿名化である。
言葉に出さなくても、表情から読み取れることはあるが、マスクをしていると言葉以上の情報を読まれなくて済む。
政治家がマスクをしていると、嘘をついていても表情からは読み取れなくなる。いわば無表情でブロックできるわけで、感情が顔に出てしまう人には好都合だ。
安倍首相は相変わらずアベノマスクをしているが、その陳腐なマスクがカモフラージュとなって、本音を隠すことに成功しているように思う。もともと口先だけの人ではあったが、マスクで表情を隠しているので、ますます言葉が空疎になった。怪我の功名というか、マスク効果は絶大(^_^)b
新型コロナのために、いやいやマスク着用を始めた人たちも、顔を隠すマスクの効果に依存し始めているのではないだろうか？
このマスク効果は、犯罪でも使われる。
北海道札幌市厚別区の公園のトイレで、7月26日女の子が男に下半身を触られケガをする事件がありました。
警察は強制わいせつ致傷事件として、男の行方を追っています。（中略）
逃げた男は若い男で、上下ともに黒色の服装で白のマスク、キャップを被っていたということです。
これは一例だが、人相ではなく「白いマスク」とマスクでしか判別されていない。
ほとんどの人がマスクをしていると、目撃情報で人相はわからない。監視カメラがあっても、顔そのものの判別は難しくなる。
マスクによるリアル匿名社会は、犯罪者にとっても好都合な社会になりそうだ。真夏にマスクをしていても怪しまれることがない。
「おもてなし」「おもいやり」「助け合い」といった、日本人の美徳とされてきたことが、マスクという他者との壁をつくることで、個々人が孤立化し、失われていくのかもしれない。
そういえば、東日本大震災などのときには、「がんばろう、日本」というスローガンが掲げられたが、新型コロナでは「がんばろう、日本」とはいわないね。
震災や水害の被災地を応援する空気はあったが、新型コロナは逆で、「他県人は来るな！」「東京人は来るな！」だからね。
リアル匿名社会と孤立化社会の到来かな？