10年後の2030年の世界はどうなっているか?
10年は遠いようで、10年前のことを思えばアッという間。
技術的な進歩は確かにあったが、驚くほどの変化にはなっていない。
100年後の予想となると、生きているうちに検証できないが、10年後なら、たぶん生きている(^_^)b
2030年、世界はこうなっている(はず):『WIRED』US版が予想する6つのヴィジョン|WIRED.jp
10年後の未来、世界はどうなっているのだろう。そして、その未来に備えて、わたしたちはいま何を考えておくべきだろうか──。宇宙や気候変動、貧困、エネルギーなどの視点から、『WIRED』US版が6つのヴィジョンを描いた。
- 月面基地にようこそ
- 急を要する気候変動対策
- 数億人分のDNAシークエンシングがもたらすもの
- 原子力発電所の小型化
- イーロン・マスクの火星移住計画
- 貧困よ、さらば
未来予想はたいてい楽観的なものだ。
ここに出ている予想も楽観的。
SF的なストーリー展開としての、私の未来予想を(^_^)
危惧されていたとおり、計画から大幅に遅れて、2030年現在、いまだ月基地の建設のメドは立っていない。
第一の理由は資金難だ。
民間宇宙企業を活用することで、コストダウンを目論んだが、肝心の民間企業が倒産してしまった。NASAの予算も削られ、巨額の資金を調達できる見通しは立っていない。
人類が月面に再び降り立つのは、まだ当分先になりそうだ。
10年前の2020年に、10年後の温暖化が懸念されていたのが嘘のようだ。
2030年の今年は、かつてない寒冷な1年となった。
空は年間を通して雲で覆われ、太陽の光が恋しい時代となった。
地球は氷河期に突入したといってもいいだろう。
主たる原因は、5年前のベテルギウスの超新星爆発だ。
ガンマ線バーストは直撃しないと予想されていたが、直撃はしなかったもののかすめる程度には浴びることとなった。これによってオゾン層は破壊され、大量の宇宙線が降り注ぐこととなり、雲が長期にわたって大量発生し、太陽光を遮った。
寒冷化の始まりだった。
さらに追い打ちをかけるように、巨大な太陽フレアの直撃が地球を見舞った。
軌道上にあった衛星の大部分が破壊され、地上の電子機器の多くも故障して使えなくなった。ネット社会は崩壊し、文明は100年以上の前の時代に逆戻りだ。
通信と交通は壊滅的で、各国は孤立した。電気自動車に転換したのが被害を拡大させてしまった。ガソリン車はすでに製造されていない。
悪いことは重なるもので、地球の磁場も弱まっているという。この兆候は2020年ころからあったが、誰も危機意識を持っていなかった。磁場が弱まることで、地球のバリアとなる磁気圏が弱まり、太陽風をより多く浴びるようになる。これが雲の大量発生にも関与している。
いまや北緯40度以北の地域は、寒冷化で住むには厳しい環境だ。高緯度の国々から、人々は難民となって南に下った。これによって南の国と北の国との摩擦が生じ、紛争が頻発している。
南北問題は立場が逆転してしまった。
現在叫ばれているのは、いかに寒冷化を阻止して温暖化するかということだ。
温暖化が問題になっていた時に、決定的な方法がなかったように、寒冷化を止める決定的な方法も見つかっていない。
かつてのように、二酸化炭素を大量に放出すればいいのではないか?
しかし、これは効果が期待できないだけでなく、むしろ逆効果だと考えられている。石油や石炭の燃焼では、二酸化炭素と同時に窒素酸化物(NOx)も生成される。このNOxが触媒作用でオゾン消滅反応に作用する。わずかに残ったオゾン層をさらに消してしまうのだ。
寒冷化は年々進行するだろう。一部の学者は、全球凍結の可能性もあるといっている。
暑い夏が懐かしい時代になってしまった。
2020年の頃は、DNAの改変について厳しい規制と倫理観が問われていた。
それはもはや昔話。
現在では、DNAはファッションであり誰でも自由にできる権利となった。
DNAハッキングの時代が到来したのだ。
DNAを改変したベビーは当たり前だし、むしろナチュラルな人が少ないほどだ。昔はデザイナーズベビーと呼んだらしいが、今風にいえば「ハッキングベビー」である。略してHB世代。
HB世代は、遺伝的な病気にはかからない。肥満や生活習慣病とも無縁だし、整形の必要もない。すべてはDNAでコントロールされているからだ。
美男美女でIQは高く、運動能力も高い。人間の能力を最適化したのがHB世代だ。
これを倫理的に規制していたなんて、信じられないくらいだ。
むしろ、DNAをハッキングしないで放置していたことの方が、見捨てていたようなもので倫理的に問題があるのではないか。
原子力発電は終焉した。
きっかけは太陽フレアの直撃だ。これにより、ありとあらゆる電子機器が停止し、使いものにならなくなった。
原子力発電所も例外ではなかった。遠隔操作できなくなった発電所は、核反応を止めることもできなくなった。メルトダウンする原発が相次いだ。
1基ならまだしも、同時に複数の原発が暴走すれば、手の打ちようがない。
原発大国だった北欧の国々は、放射能汚染で隔離地帯となった。
イーロン・マスクの夢は、スペースX社とともに紙くずとなった。
火星への道は、遠いだけでなく、金がかかりすぎた。
火星まで人間を送るための、技術的な壁も大きかった。化学燃料ロケットでは限界があったのだ。理論的には原子力ロケットであれば可能性はあったが、宇宙空間で原子炉を製造する術がなかった。
月基地の建設が頓挫したことが致命的だった。
火星への足がかりとして、月基地は必須でもあったからだ。
マスク氏の情熱は素晴らしかったが、資金が底をつき、会社が傾いてしまってはどうにもならない。
宇宙開発は、再び冬の時代になった。
地球が氷河期に突入したことで、文字通りの冬の時代だ。
軌道上で生きている衛星はなくなり、天気予報も前時代的になった昨今。
ロケットを打ち上げる余裕は、どの国にもないのだ。
世界は混沌とした時代になった。
豊かな時代は過去の話。
人口爆発が懸念されていた2020年だったが、現在の世界人口は減少に転じた。
北緯・南緯40度以上は、住めない氷結地帯となり、南の温かい地域……温暖ベルトと呼ばれている……に、多数の人々が住んでいる。
この温暖ベルトは、さらに狭まると予想されている。
人口が減っているとはいえ、密集しているため過密状態だ。もとからの住人と、難民として北から流入した人々との間で、対立が激化している。当然、格差も広がっている。
終末を予感させる時代だが、悪いことばかりでもない。
かつては乾燥していたサバンナや砂漠地帯が、地球の寒冷化にともなって湿潤で緑の広がる大地へと変わりつつある。
皮肉にも「産業革命以前」の状況に、強制的に戻されてしまった。
まずはこの氷河期を生き残ることだ。
我々の遠い先祖が乗り越えたのだから、今度も乗り越えられるだろう。
生き残るのが少数だとしても。