電子ブック関連の記事。
電子ブックのあり方、方向性について、Appleが示した「未来」だ。
「iBooks Author」の描く未来は? | web R25
世界的に「電子書籍」への関心が高まっている昨今、アップルが今年1月に発表した無料の電子書籍作成ソフト「iBooks Author」が話題になっている。好みのデザインを選択して文章や画像を配置すれば、あっという間に本格的な電子書籍が作れてしまう。完成した書籍はアップルのオンライン書店「iBookstore」で販売できるしくみで、これまで一般の人には高嶺の花だった“出版”が誰にでもすぐに実現できるのだ。
これが、おそらく「理想型」だ。
つまり……
(1)電子ブックの作成アプリケーション
(2)電子ブックを販売するプラットフォーム
(3)電子ブックリーダーとしてのiPad
この3点セットをそろえているのは、今のところAppleだけ。
本来なら、出版社がいち早く手を付けるべきことを、Appleにやられてしまっている。
「出版デジタル機構」がやるべきことは、こういう方向性であるべきだった。過去の資産としての書籍の電子化ではなく、これから出版される電子ブックを発行しやすくする環境の整備だ。
とはいえ、iBookstoreもまだまだプラットフォームとしては整っているわけではない。だが、それも時間の問題だろう。過去の出版物については、権利問題などの複雑な問題が課題になっているが、これから電子ブックとして出版される物については問題は軽微だ。
iBookstoreで売るには、Appleの審査を通過する必要があるが、そこの部分が出版社の担うべき部分だった。前々から書いているが、既存の出版社はAppleと提携して、「審査」の部分で一翼を担う役割を得るのも、ひとつの方向性だと思う。
誰もが手軽に電子ブックを製作・販売できるようになると、同人誌市場の代名詞であるコミケットがネット上に、それも世界規模で創出されるようなものだ。
簡単に売れるほど甘くはない。それはコミケットでも同様だ。玉石混淆であり、売れる物と売れない物の明暗は大きい。
だが、チャンスの場は等しく与えられる。
そこが肝心だ。
出版社を介さない、電子ブック発のベストセラーが誕生するのは、そう遠い未来でもなさそうだ。
iBookstoreが日本でも解禁されると、それこそが本命の「黒船」になるような気がする。
しかも、印税率(著者の取り分)は7割である。もちろん、売れれば、の話ではあるが、魅力的な印税率であることは間違いない。