人類は大気汚染で滅びるのかもしれない……と、思われるような研究報告。
滅びないまでも、人口減、寿命の短縮、不健康な体に苦しむことにはなりそう。
大気汚染で世界で年間880万人が早死に 従来推定値の2倍 喫煙原因上回る 国際ニュース:AFPBB News
大気汚染が原因の早期死亡者数は全世界で年間880万人、欧州では79万人に上り、昨年発表された調査結果のおよそ2倍に及んでいることが11日に発表された論文で明らかになった。
(中略)
「今回の結果は、年間の超過死亡者数の原因が、喫煙より大気汚染が多いことを意味している」として、世界保健機関(WHO)の推定では、喫煙による2015年の超過死亡者数は720万人だと説明し、こう続けた。「喫煙は回避できるが、大気汚染からは逃れられない」
(中略)
群を抜いて最も多かった死因は、PM2.5として知られる直径2.5ミクロン未満の微小粒子状物質であることが判明した。ちなみに平均的な人の毛髪の太さは60~90ミクロンだ。「PM2.5による健康への有害な影響がこれまで考えられていたよりはるかに大きいことが、最新データで分かった」と、レリーフェルト氏は説明する。
私の過去記事、『「タバコの煙」 vs 「車の排気ガス」、どっちがより有害か?』でも取り上げたことだが、タバコの煙より自動車の排気ガスの方が、はるかに有害。
にもかかわらず、排気ガスよりもタバコの煙の方が有害と主張する嫌煙派がいたりする。
昔の時代設定のドラマで、タバコを吸うシーンにクレームをつける嫌煙派もいたが、彼らはとにかくタバコを絶滅させたいのだろう。
猪突猛進というか、情熱はすさまじい。
その成果として、喫煙者は片隅に追いやられ、喫煙者は減りつつある。
彼らの真意が、人々の健康を守るためであるならば、次なる標的はガソリン車やディーゼル車だ。
喫煙よりも大気汚染の方が死因として多くなっているのだ。
これは大問題だ!
喫煙者を罵倒し、責め立ててきたのだから、今度は電気自動車以外の自動車に乗る人たちにも、同様の対処をしなくてはいけない。
受動喫煙以上に、受動排ガスは深刻なのだ。
すべての内燃機関搭載の車を禁止する、禁車だ!!
禁煙マークのように、禁車マークも必要だろうから、作ってみた(^_^)
イラレのデータも提供しよう。
→ 禁車マーク(aiデータ)
禁車促進のために、活用していただきたい。
嫌煙運動のように積極的に活動すれば、数年後にはガソリン車・ディーゼル車は、街を走っていないだろう。
大気汚染は劇的に改善され、めでたし、めでたしになっているはずだ。
ま、現実的には、自動車メーカーの思惑もあって、そうそう簡単には電気自動車には切り替えられない。徐々に変わってはいくとは思うが、コスト的、インフラ的、産業的に問題もある。
本気で国民の健康を考えるなら、政府がガソリン車・ディーゼル車禁止の方針を打ち出せばよい。
2030年で、ガソリン車・ディーゼル車は全廃と。
ヨーロッパはその方向に進みつつあるが、日本は後追いだとしても、なかなか難しいだろうね。
前にも書いたが、タバコにはあれほど辛辣だったのに、酒には甘いし、大気汚染についてもゆるい。
リスクに対する認識が一貫してないんだよね。
結局のところ、標的にしやすい対象を攻撃して、一定の成果をえられることだけ熱心にやってる感じ。
禁煙は政治的に支持されるから政治家も利用するが、禁酒では支持されない。まして、禁車なんてとんでもない……というわけだ。
嫌煙運動家は、自分はタバコを吸わないから、喫煙者をいじめるのに心が痛まない。
しかし、禁車運動をするとなると、自分も車に乗れなくなるから、それは困る。
日本の輸出産業として自動車は重要なものでもあるので、おいそれと禁止にはできない。
数十年後の健康よりも、目先の利益が優先される。
人間というか、社会は愚かだよね。
環境汚染のプラスチック問題、人口減少問題、そして大気汚染問題。
人類は、自分の首をじわじわと絞めているが、そのことに気がつきながらも、安穏としている。
即死ではなく、ゆるやかな死だから、恐怖心が薄い。
人類滅亡のシナリオには、いくつかある。
核戦争は、今でも可能性の高いシナリオだが、2〜5までは可能性が低いシナリオ。
温暖化については、過去記事でもたびたび書いているが、考古学的過去には、現在よりもはるかに温暖化していた時期があり、人為的な原因による温暖化のレベルは、たいした問題ではない。
温暖化よりも、次に来る氷河期の方が問題である。それが近いとの説もある。
「環境汚染による自滅」は、じわじわと浸食して、自覚しないうちに自滅に向かっていく。
たとえるなら、「がん」みたいなもの。
ステージでいえば、現在はステージⅢくらいだろう。
かなり深刻で、早急な治療が必要。放置すれば手遅れになる。
「人生100年時代」なんて、呑気なことをいってる人たちもいるが、そうはならないだろう。
環境汚染にさらされて育った世代は、長生きしないよ。
高度成長時代の公害世代が後期高齢者になる10〜20年後くらいから、平均余命は下がり始めるのではと予想する。
そして、現在の若者たちはもっと寿命が短くなるかもしれない。
環境汚染を解決しない限りはね。