理路整然とした“夢”を見る

 睡眠中に見る“夢”は、理路整然としていなくて、荒唐無稽であることが多いという。
 と、こんな記事。

 脳が活性化していると言っても、夢の中と目覚めているときでは、違っている点も多い。例えば夢のストーリーの脈絡のなさ。目覚めているときに注意力などの調整役を果たしている脳の神経細胞が、レム睡眠時は活動しない。時間や空間の原理を飛び越えて映像やストーリーが展開するのは、このためではないかと考えられている。見た夢を忘れやすいこととも関係しているという説もある。

 ところが、私の見る夢は、けっこう理路整然としているのだ(^_^)
 ストーリー性に起承転結があり、夢ならではの飛躍もあるものの、おおむね辻褄が合う。
 そのためか、夢の記憶と、現実の記憶で、区別がつかないことがある。
 ふと、あることを思い出したとき、それが現実にあったことなのか、夢で見たことなのか、しばらく前後を思い出して考えないと、判別できないのだ。

 ある風景が、記憶の中にある。
 隣駅に近いところの風景なのだが、私はそれが実際に行ったときの記憶だと思っていた。
 ある日、たまたまその記憶の場所に行く機会があった。
 ああ、ここは覚えている。この先が、こうなって、その向こうに……
 あれ?
 記憶と全く違う。
 私は混乱してしまった。
 あるはずべきのものが、なかったのだ。

 よくよく記憶を辿っていくと、それが夢の中のことだと思い当たった。
 それほどリアルで鮮明だったのだ。
 こんなことが、よくある。

 夢が支離滅裂か理路整然かは、その人のイメージ力の問題のような気がする。

 そして、夢の記憶は、夢を見ているときだけ思い出すものがある。
 起きているときには、記憶にないのだが、夢を見ているときだけ思い出す記憶だ。
 ああ、ここは前に来たことがある。
 ……と、夢を見ていて、記憶が呼び覚まされる。
 そう、私は夢を見ていることを自覚できる「覚醒夢」を見るのだ。

 夢と現実……
 大きな隔たりがあるようで、じつはけっこう曖昧なのだ。

諌山 裕

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