電車の車内吊り広告に、こんなのがあった。
朝日新聞社から
言葉に救われた。
言葉に背中を押された。
言葉に涙を流した。
言葉は人を動かす。
私たちは信じている、言葉のチカラを。
ジャーナリスト宣言。朝日新聞
この広告は「言葉のチカラ」ということでシリーズ展開されているが、いつも見るたびに疑問に思う。
言葉にチカラがあるんじゃない。
言葉は道具であり手段にしかすぎないからだ。
それは、スポーツ選手が「筋肉のチカラ」といっているのに等しい。
スポーツで筋肉が感動を呼ぶわけでも、筋肉に涙するわけでもない。
筋肉はスポーツ選手にとっての、能力を高める必然と手段にすぎない。
人々がスポーツに熱狂して感動するのは、その人を主人公とした「ストーリー」なのだ。
同様に、言葉に感動するわけではなく、言葉を駆使した「ストーリー」が、人を動かし救うのだ。
同じ言葉を使ったとしても、間違ったストーリー、面白くないストーリーは、人を動かすことはない。
ストーリーは、新聞であれば「真実」と置きかえてもいい。
言葉そのものに「良し悪し」や「チカラ」はない。
良し悪しとチカラがあるなしを決めるのは「ストーリー」なんだと思う。