妻が西武池袋線の「ラビュー」に乗りたいというので、連休中の早朝に席を予約し、秩父に向かった。
電車好きというわけではないのだが、窓の大きなラビューには乗ってみたかったらしい。ラビューに乗るだけなら、終点の西武秩父まで行ったら、駅にある商業施設で食事したりお土産を買ったりして帰ればいいのだが……。
「それだけじゃ、つまんない」と妻。
「どこに行きたいの?」と聞くと、
「わかんない」という。
せっかく秩父まで行くから、どこかに行きたいらしいが、どこがいいのかわからないらしい。もとより、地理音痴、方向音痴の妻なので、迷子になるのはいつものこと。私が連れて行ってやらないと、目的地に辿り着かないのだ。
というわけで、秩父で立ち寄るのにいい観光スポットはないかと、私が調べることになった。電車と徒歩だけの移動なので、行けるところには制約がある。
で、ここならいいかも……とピックアップしたのが、
橋立鍾乳洞だった。
最寄り駅の秩父鉄道 浦山口駅から徒歩15分なら、妻の足でも歩けるだろう。体力と筋力のない妻なので、長距離になると難しくなる。
大規模な鍾乳洞ではなく、小さな鍾乳洞のようだ。あまり期待はできないが、目的地としてはまあまあだろうという選択だった。
私としては、別にどこでもよくて、妻を連れて行ってあげるのが目的だ。
西武秩父駅から秩父鉄道の御花畑駅まで徒歩(約5分)で移動し、そこから浦山口駅まで。フリー切符を買っていたので、範囲内であればどの駅でも乗降可能だ。
そのフリー切符だが、ある駅ではスマホに切符のQRコードを表示させて改札を通る必要があるが、ある駅では駅員に見せるだけ、別のある駅では駅員のいない無人改札でそのまま素通りだった。なんか、すごくアバウト。
浦山口駅は無人駅だった。
駅のホームから見える風景が以下。
山の中にある駅なので、田舎〜という風情。
視界の中に山があると、実家の田舎を思い出す。上京してきたときは、平野が延々と続くので、すごく違和感があったものだ。
浦山口駅を出ると案内板があった。
橋立鍾乳洞は矢印の方向に。
徒歩15分ということだったが、けっこう急な坂道を歩いたので、それ以上かかった。
この日は快晴で、猛暑予想だったので、とにかく暑かった。あとでわかったことだが、秩父では38℃まで上がっていたようだ。
現着すると、鍾乳洞への入口の入口。
写っているのは妻(^_^)
ここで入場料金(200円)を払い、鍾乳洞の入口に通じる小道を進む。
中に入ると、さらに狭い!
立って歩ける場所はわずかしかなく、ほとんど屈んで歩くか、しゃがんで這いつくばるように進むしかない。身長のある私(182cm)には、かなり窮屈な洞窟だった。
鍾乳洞の様子を観察する余裕はあまりなくて、狭い洞窟をいかにして進むかということに全神経を持っていかれた。それが、キツくて、キツくて……、洞窟アスレチックと化していた。
何度も頭をぶつけたし、手、膝、足下は泥で汚れた。
距離は短いが、くねくねと蛇行していたので、出口に辿り着くのに30分くらいかかったかな。外に出たときには、息が上がって、足腰が急性の筋肉痛でバテてしまったよ。
軽い気持ちで行くと、後悔すると思うよ(^_^)b
それと、体格の大きい人は、狭い洞窟を通れない可能性がある。そのくらい狭い箇所がある。
案内看板に鍾乳洞についての説明があったので、参考までに。
鍾乳洞の外には、カフェとそば屋があり、誰もがここでひと息つくのだろう。そうしたくなるほどに疲れてしまうんだ。
私たちはカフェ(JURIN’S GEO)に入った。
電車の本数が少ないので、時刻表を見て、カフェで時間を潰した。
帰り道の途中、これから鍾乳洞に向かう人たちとすれ違った。その中に、若いカップルがいたのだが、彼女が「坂道ばっかりでキツーい」とかなんとか愚痴っていた。服装は街中のデートのような軽装で、足はサンダルだった。その格好で鍾乳洞に入ると後悔するぞ……とは、妻の弁。
ここに来る時点で、山歩きは確定なので、山歩きできる格好じゃないと余計に辛い思いをする。山好きではない彼女をデートに誘うには、不向きなチョイスだと思うよ、彼氏君。
御花畑駅まで戻ってからは、妻が行きたいと行ったラーメン屋の「珍達そば」で昼食……の予定だったのだが、すでに行列ができていて、炎天下の中、1時間くらい並んだ。
麺好きの妻は、あちこちのラーメン屋に行きたがる。地理音痴ゆえに、初めての場所はひとりでは辿り着かないので、いつも私がナビゲートしていく。
その後、秩父神社に行き、有名だという動物のレリーフを見て回った。
暑さと洞窟アスレチックで体力を削られた一日だった。
まだ、腰が痛い(^_^)b