石油は、温暖化の原因となる二酸化炭素排出の主要は原因とされている。
そして、石油(原油)は化石燃料ともいわれている。古代の微生物の化石だとされるからだ。
石炭は古代の森林が化石化したものだが、石油については、その生成過程はよくわかっていないという。「無機成因論」では、石油の元となる炭化水素が地中深くから湧き出してくるとされている。また、石油の分布が過去の生物圏とは合致しないことも指摘されている。
生物由来だとすると、その可能性を示唆する記事が以下である。
ディーゼル燃料を自然に生成する真菌、熱帯雨林で発見 | WIRED VISION
パタゴニア(アルゼンチンとチリの南部)の熱帯雨林の木々の内部に生息する真菌が、ディーゼル燃料に驚くほどよく似た炭化水素の混合物を自然に作り出すことを、生物学者たちが11月3日(米国時間)に発表した。
(中略)
しかし、バイオ燃料の生産に利用すること以外にも、興味深い点がある。Strobel教授はこの真菌について、原油は化石燃料であるという考えに疑問を投げかけるものだと述べている。われわれが通常、原油の構成要素と考えているものを作り出せるためだ。「このような有機体が、世界に存在する原油の少なくも一部を生成した可能性がある」とStrobel教授は述べている。
微生物が石油を作り出しているとすると、温暖化問題はまったく違った難問を抱えることになる。
バイオ燃料は、植物が取り込んだCO2を排出するから、差し引きゼロで温暖化には関与しない……という理屈が立てられている。
もし、微生物が古代の植物などを分解して石油に変えているとしたら、石油もまたバイオ燃料ということになる。
つまり、石油を燃焼して二酸化炭素を出しても、トウモロコシ由来のバイオ燃料と同様に、温暖化とは関係なくなってしまうのだ。
ややこしい話である。