我が家に来て3日目で、ちょくちょく姿を見せ、部屋の中を歩きまわるようになった。小さいだけに適応も早い。

先輩猫たちはというと、遠巻きにナナちゃんを見ながら、「こいつ、なにものだ?」とばかりに警戒している。ナナちゃんが近づくと、威嚇の大息をつき唸るものの、自分から逃げていく。しかし、ナナちゃんが物陰に隠れると、「なにしてんだ?」と様子を見に行くのだ。

私たちに抱かれることにも、抵抗がなくなりつつあり、スキンシップを始めている。妻が抱いているのを見ればわかるように、まだまだ小さくて軽い。

ごはんも自分で食べるようになった。ミルクも飲む。

ひとつ、特徴的なのは、ナナちゃんは食べたり飲んだりするときに、「ウニャ、ウニャ、ニャニャー」と声に出しながら食べることだ(笑)。それはまるで「まんままんま、おいちいよ、うまうま……」といっているようだ。性格的におしゃべりなようである。

そして、最初の仲良しはクリとなった。

一番体の大きなクリとナナちゃんが並ぶと、その違いがよくわかる。クリはナナちゃんのことがとても気になるらしく、終始行動を見守っている。クリのそばにナナちゃんを寄せたのが右の写真だ。ちょっとだけナナちゃんの毛づくろいをしていた。猫同士の信頼の証である毛づくろいを始めたことで、ひとまず群れの一員として受けいれられたようである。

いずれにしても、ナナちゃんはなかなかの美少年だと思う(笑)。まだ一度もお風呂にいれていないので、やや薄汚れているが、猫同士の毛づくろいが頻繁に行われるようになれば、毛皮も綺麗になっていくだろう。

部屋にはナナちゃんの鳴き声が、断続的に漂っている。曇り空のように悲しげだった鳴き声は、徐々に明るさが加わり、甘え声のトーンとともに晴れつつある。恐怖心が好奇心へと変わり、狭い部屋ながらもあちこちへと冒険している。

私たちが注意しなくてはいけないのは、小さい体ゆえに入りこんでしまう狭い空間への対処だ。家具の裏、本棚のすき間、イスの下、机の下、パソコンの裏など、どこにでもはいりこんでしまう。はいるだけならいいが、うっかり気がつかないで物を落としたり寄せたり、ケーブルに絡まったりするかもしれない。

しばらくは目が離せない年頃なのである。

諌山 裕

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諌山 裕

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