やってくれました(^^;)。

日記の1日目を書いたあとに、なにやら部屋に強烈な猫臭が充満した。新入りのナナちゃんの臭いであることはすぐにわかる。室内飼いの猫は、食生活が変わり、外にいる野良猫と違って清潔であるため、体臭は薄まる。また、それぞれに特有の体臭があるので、誰のものかはだいたい見当がつくものなのだ。

馴染みのない臭いは、ナナちゃんだ。おしっこでもしたのかと思ったら……。

もっと最悪であった。ゲリピーのうんちをしていたのだ。虫下しの薬を呑ませたとのことだったので、お腹がゆるくなっていたのだろう。加えて、新しい環境での緊張も影響したのか。なお悪いことに、ナナちゃんは自分のうんちの上で伏せていたのだ(^^;)。

ありゃりゃ……。体中、ベチョベチョだよ。

時刻は午前4時頃である。

私は寝ていた妻を起こす。

「ナナちゃんが、ゲリピーだよ。体も汚れてるから綺麗にしてやらなくちゃ」

「うにゃ〜、頭がくらくらするー。臭いで吐きそう……」

低血圧で寝起きの悪い妻は、起きあがるのに時間がかかる。その間に、床にまき散らされた臭いの元を拭き取る。

ようやく起きてきた妻は、ナナちゃんをバスルームに連れてはいる。私が外にいると、妻が大声を出した。なにごとかと思えば、小さな体のナナちゃんが、バスタブと排水口の間にある、わずかなすき間に潜りこんでいた。ほかの猫たちでは考えられない場所に入ってしまったのだ。

なんとか手を入れて引っぱりだして、すき間に蓋をした。それから雑巾と重曹でナナちゃんの体を拭く。まだ幼いため、いきなり全身を濡らしてシャンプーすることは控えた。重曹を使うのは、口に入っても無害であるし、洗浄と脱臭の効果があるのだ。なんでも舐めてしまう猫や犬には、安全な素材である。これは人間の乳幼児にも有効だろう。

とはいえ、シャンプーのように綺麗に洗い落とすわけではないので、とりあえずの応急処置である。汚れて臭かったナナちゃんも、少しはましになった。

「朝っぱらから、疲れたよ〜」と、文句をいいつつも、しっかり面倒をみる妻であった。

2ヶ月ではまだトイレのしつけはできていない。これから私たちや先輩猫がいろいろと教えていくこととなる。猫同士はいたずらの仕方を教えるのかもしれないが……(笑)。

いま現在、ナナちゃんは私の仕事部屋の片隅にいる。姿は隠れているが、ときどき寂しそうに鳴いている。「泣いている」と書いた方がいいかもしれない。親猫が恋しいのだ。それでも、数日するとひとりで食べて、ひとりで歩きまわり、人にも猫にも甘えるようになるだろう。

猫は自立するのが早い。その点、人間はなかなか親離れ・子離れしない種なんだよね。

諌山 裕

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諌山 裕

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