いまさら……という気がしないでもないが、観てきた。
同じ作品が、同じ監督によって、何度もリメイクされるというのは、かなり珍しい。
TVシリーズのエヴァから、29年が経った今も、ファンから支持されているのは、今観ても新鮮なところがあるからだろう。
そういう意味では、エヴァ以降に作られた作品で、影響を受けている作品も少なくない。
「序」は、基本的にはTVシリーズのストーリーをダイジェストにしたものだ。
細かいところで、描かれなかったシーンが追加されたり、メカや使徒のデザインが変わっている。
過去の作品へのノスタルジーと、新しいイメージの発見がある。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 : 「エヴァンゲリオン」12年の歩み~TV、劇場版、そして新劇場版とは?(2) – 映画のことならeiga.com
そして現在、タイトルを「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」と正式決定し、前編を「序」、中編を「破」、後編を「急」として製作が進行中(完結編については、現在のところ「?」とされている。ちなみに「序破急」とは日本の雅楽、能楽、舞楽などの古典芸能における典型的構成とされる3つの楽章を指す)。「序」は今年9月1日に公開され、「破」が08年公開、そして最後に「急」+完結編がまとめて公開される予定だ(公開時期は未定)。
かつて、エヴァをめぐる論争で、社会的な世相の反映が取りざたされた。
今もエヴァが支持されるのは、29年前も現在も、それほど世の中の空気が変わっていないからだろう。
むしろ、閉塞感は増しているかもしれない。
アニメの3大エポックメイキングの作品といえば、「宇宙戦艦ヤマト」「ガンダム」そして「エヴァンゲリオン」だ。
いずれも、続編や劇場版が作られ続けた。
だが、その作り方はそれぞれに特徴的だ。
ヤマトは主要キャラはそのままに、敵が変わって作られた。ストーリー的にも、敵が変わっただけで大差なかった。
ガンダムは、主要キャラが変わり、時代設定が変わり、メカも変化していった。時代の空気に合わせて、適応した結果だろう。
そして、エヴァは基本的には同じ物語を、同じ監督が作り直していくという形になっている。
良し悪しは別にして、この違いも興味深い。