遠くの銀河を観測することは、宇宙の始まりに迫っていくこと。
というのが、一般的な考え方になっている。
そして、宇宙は一様ではなく、空白の領域がある。
銀河は重なる泡のように広がり、泡の内側がボイドと呼ばれる。
そのボイドに巨大なものが発見され、そこにはダークマターもダークエネルギーも存在しないらしいというのが観測されたという。
宇宙には「観測できる物質とエネルギー」のほかに、決して観測できない「ダークマター(暗黒物質)」や「ダークエネルギー(暗黒エネルギー)」が存在する。とくにダークエネルギーは重力とは逆の反発作用、「斥力」として機能していて、それが宇宙の膨張を加速させているらしい。そんなダークエネルギーの中を通過した背景放射は、温度がわずかに高く観測される。しかし、巨大ボイドにはダークマターやダークエネルギーさえも存在しないため、その分だけ背景放射が冷たく観測されるというわけだ。
ということだが、遙かに遠い宇宙のこととはいえ、不気味で不思議だ。
観測される宇宙のことで、いつも疑問に思うことがある。
それは、「遠くの銀河=宇宙の始まり」でいいのか?……ということ。
ビッグバンで生じた宇宙の中心……つまり、爆心地から宇宙は全方位に向かって広がっているはずだ。
そうであるならば、爆心地の向こう側にも宇宙が広がり、銀河が存在している。
そうした爆心地の向こう側の銀河は観測できないのだろうか?
宇宙の年齢は、137億年と推定されているが、爆心地の向こう側の銀河の光が届くとすれば、宇宙年齢よりも古くなる。宇宙が誕生するよりも古くなるわけだから、その光は私たちの銀河まで届いていないから観測できない……という理屈はわかる。
しかし、宇宙の年齢がもっと若くて、爆心地の向こう側の銀河が、なんらかの理由で見えていれば、もっとも遠い銀河はじつは向こう側にあるということになる。
この前提には、パラドックスがある。光は宇宙の誕生後に生まれたことになっているから、宇宙年齢よりも古い光は存在しない。したがって、爆心地の向こう側の光は届かないということ。
私たちは永遠に、宇宙の半分から向こう側を知る術がない。
それをイメージとして画像にしたのが、以下。(クリックで拡大表示)
この画像は、推定年齢132億歳の恒星、天の川銀河に発見/アストロアーツの画像を加工したもの。
ただ、可能性として、向こう側の銀河が移動して、こちら側に出現することはありえるように思う。
銀河は回転しているし、銀河群、銀河団もある方向に動いている。宇宙そのものも回転しているのだろうし、その中にある銀河も運動しているだろう。その運動が一定で均質ではないことは、見えている銀河の動きが異なることから想像できる。とするなら、向こう側にある銀河が境界線を超えて、こちら側に出現していれば、見えていても不思議はないことになる。
古い銀河なのに、重い元素を多く含む銀河が発見されたりしている。それは、こちら側に迷い込んだ、新しい銀河といえないだろうか?
巨大ボイドの記事を見て、ほんとうになにもない空間……というのは、爆心地じゃないのか?と、素人考えで思った(^_^)。
核爆発では、爆心地が真空になるという。宇宙のビッグバンでも、爆心地には、やはりなにも存在しない空間ができるだろう。
この巨大ボイドが爆心地ではないにしても、爆心地に類似したものではないのだろうか?
ビッグバンは1回の爆発ではなく、複数回連続して起こっていたら?
ダークエネルギーが、時間にも作用するとしたら?
……と、こうなるとSFの世界。