「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」は原点回帰……の続き。
Star Warsについての、過去の経緯とこれからの展望についての、長~~~い考察記事。
壮大な物語として、ビジネス面のコンテンツとして、いろいろと示唆に富んだ内容。
終わりなき「神話」ビジネス:スター・ウォーズと未来のブロックバスターのつくり方 ≪ WIRED.jp
スター・ウォーズは永遠に完結しない
もしディズニーの計画通りにいけば、
おそらくこのシリーズの完結を生きて観ることはないだろう。
スター・ウォーズは永遠に続くシリーズとなるのだ。
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マウスを任意の場所に持っていくと、ルーペで画像が拡大される。いろいろな作品のキャラクターがいるので、探してみるのも一興。
本編のStar Warsだけでなく、スピンオフの作品も作られているが、物語の世界観を踏襲していれば「Star Wars」の名前を冠することができるのが強みだね。
ルーカスの功績は、その世界観を作ったことにあると思う。
そもそものStar Warsの世界観は、過去のSF小説やテレビSFシリーズなどで登場していたSF的なタームやガジェットを寄せ集めたものだった。熱心なSFファンにとっては馴染みのものであり、「常識」でもあった。バラバラだったものを集約して、新たなエッセンスを加味したのがStar Warsの世界観だ。
マニアックな趣味の産物でもあったが、鮮烈な映像で表現されたことで、多くのファンを魅了した。
日本でいえば、「ガンダム」がそれに相当する。
ガンダムは、主役メカのガンダムだけでなく、モビルスーツという概念をはじめとして、ラグランジュポイントに浮かぶコロニーなどの、未来の世界観を作り上げた。ファーストガンダム以降、メカは進化し、時代設定が変わり、登場人物は変わっても、ガンダムの世界観は継承された。
ガンダムと並ぶ日本アニメの大ヒット作である「宇宙戦艦ヤマト」は、世界観の広がりには欠けていた。ヤマトでは、メカとしてのヤマトと、登場人物として古代進や森雪が出ていないと、ヤマトにならなかった。リメイク版のヤマトは作られているが、文字通りリメイクでしかなかった。ヤマトは物語の発展性に厳しい制約を課せられていたともいえる。
エヴァンゲリオンはヤマト型の作品のため、エヴァはエヴァであり、シンジとレイとアスカは必須のキャラクターだ。結果、テレビ版から始まって、映画版では新版として再三作り直すことになった。ストーリーをいくぶん修正し、新しい映像技術で緻密な映像になったとはいっても、焼き直しでしかない。初恋のときはドキドキしてときめいていたが、10年後に初恋の相手と再会しても、懐かしさはあってもときめかないのと似たような話。
Star Warsに関しては、とりあえずエピソード7・8・9はつながりのある3部作になるのだろう。その後は、違う時代設定、違うキャラクターで新シリーズが展開されるのかもしれない。それはそれで楽しみではある。
関連した記事で、新作のStar Warsはデジタルではなく、フイルムで撮影されているという。
デジタルでなくフィルムで撮影される『スター・ウォーズ』、その理由とは ≪ WIRED.jp
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』やその次作など、デジタルではなくフィルムで撮影される作品が増えている。コダックは、かつて閉鎖寸前だったフィルム事業が黒字化すると予測している。
(中略)
フィルムならば、きちんと保管されている限り、将来、リマスターによって最初のリリース時より大幅に画質を上げることができる。VHSとBlu-rayの画像の違いを見ればわかる。そして、フィルムのストックがたくさんあれば、将来世代はより細かく取り込んで利用することができる。
撮影はフイルムでも、SFXの効果を合成するときにはデジタルで取り込んで加工しなくてはいけないので、そのときには4Kなり8Kなりの解像度で処理する必要がある。二度手間ではあるが、どちらが効率的なんだろう?
映画人のこだわりとして、フイルムで撮るというのはわかるけどね。とはいえ、フイルムでは現像するまで撮れた絵の確認ができないので、デジタルのようにその場で確認とはいかない。そのへん、どうしているのだろうか。フイルムとデジタルの同時撮影をしているのかな?
フイルムで撮っていたことで、デジタル化の際に有利だった作品は、過去にもある。
『ブレードランナー』がそのひとつだ。
過去記事でもちらっと書いたが(参照→『ブレードランナー』の続編が制作されるらしい)、この作品は主要シーンが65mmサイズで撮影され、それをスキャンしてデジタル化しているため、かなり精細なデジタル化になっている。撮影時は、デジタル化を意図して大判フイルムを使ったわけではなく、SFXの合成がアナログの時代なので、粗が目立たないように大きいサイズにしていたという。
この2Kハイビジョン版の『ブレードランナー』の映像は必見。大画面のテレビで見ると、迫力はかなりもの。いずれ4K版も出てくるだろうが、4Kテレビで見たら、もっとすごいのではと思う。
ちなみに、『ブレードランナー』の続編制作は、予定が延び延びになっていたが、2016年7月から始まるらしい。
「ブレードランナー」続編が本当に実現 7月から撮影開始 : 映画ニュース – 映画.com
アルコン・エンタテインメント製作「ブレードランナー」続編が、7月にクランクインすることがわかった。
廃れる一方だったフイルムだが、映画制作現場がフイルムに回帰することで、コダックのフイルム事業が黒字になるとはね。写真用のフイルムも、斜陽の一途を辿っているが、需要がなくなればいずれ消滅してしまう。
デジタルカメラの高画素化で、フイルムカメラに迫る解像度になってきた現在だが、高解像度化はファイルサイズの肥大化にもなっていて、カメラや後処理のPCの処理能力も要求される。
デジタルとフイルムの一番の違いは、画素の密度というより、配列だろうね。
デジタルは規則正しい配列だが、フイルムの粒子はランダムな配置。光に反応する化学材料を塗布するフイルムは、きわめて均一に塗布されるが、整然と並んでいるわけではない。そのランダムさが、絵のやわらかさにもなっている。
フイルムカメラ時代に撮った写真のネガが、うちにも何百本か残っている。20~30年前のものだ。物置にしまい込んでいるが、それらを取り出してスキャナーで読みとれば、4Kや8Kのデジタル画像にすることができる。デジカメで撮った写真データを、20~30年後まで残しておくのは、けっこう大変だ。それを考えると、フイルムの保存性は優れているともいえる。
……と、話がそれてしまったが、Star Warsの世界がどこまで広がるのか、ファンとしては気になるところ。