「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」は原点回帰


「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」特報2 が公開』の続き。

……と、上記のエントリから8ヶ月が過ぎて……

待望だった映画、「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」はすでに観た。
2日目(12/19土曜日)に行くはずのところを、予約時間を勘違いして行き損ねてしまったが、12/23(水・祝)に行った。
この映画に関しては、ネタバレのレビューは御法度の雰囲気なので、内容については触れない。
とにかく……

早く続きを観たい!

……ということに尽きる。

私にとって「」は、「青春」そのものでもあった。
最初のStar Warsが公開された頃……
世の中には、コンピュータは一般的ではなく、当然のことながらネットもケータイもなかった時代。映画の制作もアナログであり、特殊効果(SFX)もアナログの時代だ。宇宙を舞台とする映像表現は、技術的な困難が多かった。
そんな時代に、宇宙船が飛び交うワクワクする映像を見せてくれたのが、Star Warsだった。

私は夢中になった。
毎週映画館に通って、通算、13回も観た。

SF小説では宇宙ものの作品は多いが、それらは文章で表現され、頭の中でイメージする世界だ。想像力の程度によって、見える世界は異なる。
しかし、映画は誰もが同じ世界を見られる。
Star Warsの世界は、想像の産物ではあるが、イメージを共有できるリアルな存在でもあった。

スター・ウォーズ/フォースの覚醒」を観て、感慨深かったのは……

「この世界に戻ってこられた。まるで故郷に帰ってきたような感じ」

予告編でも流れていたが、ハン・ソロがミレニアム・ファルコンに乗船したとき、「帰ってきたぞ」というシーンが象徴的だ。セリフでは「My home.」と言っていたが、字幕では「帰ってきたぞ」と意訳されていた。まぁ、気分的にはそうなんだろう。
新しい監督、新しいキャラクターと俳優で作られた新作だが、旧作へのリスペクトとオマージュも豊富で、懐かしさと新鮮さが絶妙だった。

新作の公開に合わせて、テレビでは旧作を放映していた。

作品ラインナップ|金曜ロードシネマクラブ|日本テレビ

2015.12.18 21:00~22:54
スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望
▼吹き替えキャスト

「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」吹き替えキャスト

「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」吹き替えキャスト

あらためて旧作を観ると、新作の映像テクノロジーがいかに進歩しているのかがよくわかる。
ちなみに、放映された旧作の吹き替えキャストが、また懐かしかった。調べてみると、この日本語吹き替え版は、6つあるバージョンのうちの5番目らしい。オビ=ワン役の納谷悟朗と、C-3PO役の野沢那智が共演しているのは、5番目のバージョンしかないからだ。ふたりの声優は故人となっているため、それがまた懐かしかった。このスターウォーズ日本語版の声優として出演している人の中には、故人となっている方がほかにもいらっしゃる。いろんな意味で懐かしい日本語版だった。

“WIRED”は、Star Wars関連に並々ならぬ注力をしていたが、そんな記事のひとつ。

【ネタバレ注意】新スター・ウォーズ『フォースの覚醒』レヴュー ≪ WIRED.jp

『ジェダイの復讐』以後何十年もの間、スター・ウォーズがもっていた素晴らしい点のすべては、わたしたちの記憶のなかだけに生きることを余儀なくされてきた。3つのお粗末な前編映画と、オリジナル映画のできそこないの「特別版」が、遺産を台無しにしてしまったのだ。

元記事には、ややネタバレがあるので、未見の方はご用心。
旧作(エピソード4~6)に対して、前作(エピソード1~3)の評価は、あまり良くないんだよね。私はエピソード1~3も好きだ。
ストーリーの展開として、先にエピソード4~6が描かれ、時代を遡ってエピソード1~3を作ってしまったため、物語上の時間軸の制約を受けてしまったことが、不評の一因だろう。つまり、観客は物語の「未来」を知っているため、予想外の展開が起こらない。アナキンがのちにダースベイダーとなることがわかっているから、意外性がない。帝国軍は、ルークの時代まで宇宙を支配することになっている。エピソード1~3は、観客の知っている「未来」へ至る過程を描いた、昔話的な位置づけだった。

しかし、新しいシリーズのエピソード7~9は、まだ誰も知らない「未来」が描かれる。そこにどんな未来が待ち受けているのか、観客は知らないから、期待が高まる。
別の記事では、名言が飛び出していた。

新スター・ウォーズレヴュー:ネタバレに死を──『フォースの覚醒』については「何も語れない」 ≪ WIRED.jp

神話はたしかに、引き継がれた。

同感だね。
Star Warsは「神話」なんだ。
帝国軍とレジスタンスの戦いは、第二次大戦を下敷きにしてはいるが、壮大な宇宙を舞台とした戦い方としては、いささか陳腐ではある。他の恒星系に行き来できるような科学技術のある世界にしては、中世の騎士物語的な世界観だ。ハイテクとローテクが入りまじる不思議な世界。

ルークを中心にして見ると、父親と母親の世代の物語がエピソード1~3であり、ルークやソロの子ども世代の話がエピソード7~9になる。前後合わせて、100年くらいの歳月の物語。
現実の世界で100年というと、科学技術は飛躍的に進歩しているし、それにともなって社会のありようも激変している。

しかし、Star Warsの世界では、それほど大きな変化はない。C-3POやR2-D2が時代遅れになることなく存在し、宇宙船などのメカもさほど進歩することなく使われている。多少のモデルチェンジはあるにしても、TIEファイター(タイファイター)やXウイングは、相変わらず現役だ。
SF考証をするなら、Star Warsの世界では、科学技術は円熟期というか停滞期に入っていて、新理論や新技術はもはや登場しなくなり、100年前のロボットや宇宙船でもポンコツとは呼ばれても、性能的にはなんら遜色のないテクノロジーに支えられている。

映画の中で具体的に描かれているわけではないが、テクノロジーを維持しているのはおそらくロボットやAIなのだろう。各種メカの規格はユニバーサル仕様であり、帝国軍のメカでも共和国のメカでも、パーツとしては流用できる。それゆえ、集めたメカのガラクタが売りものとして価値を持つ。

スピンオフ作品として、CGアニメ版の「スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ」や「スター・ウォーズ 反乱者たち」なども見ているが、パダワンが自分のライトセーバーは自作するというシーンが出てくる。自作といっても、パーツを組み合わせて形にしているので、刀鍛冶が鉄を打つところから作るような刀とは違う。基本的なパーツは、どこかのロボット工場で作られているのではと思う。

人間がメカの修理やメンテナンスはするが、メカを製造することは少ない。浮揚して走る乗り物や、ハイパースペースを航行する宇宙船を支える科学理論やテクノロジーは、現在の私たちには未知のものだ。そのテクノロジーを可能とするエネルギー源は、膨大なエネルギー量が必要なはずで、それがいとも簡単に使いこなされている驚くべき世界にもなっている。

人々は、道具としてそれらのメカを使いこなしているが、理論を理解しているわけでもない。いわば、完成されたテクノロジーとしての果実を「収穫」して使っているにすぎない。そういう意味では、テクノロジーと人間の関係性が、並列になっている世界だ。
高度に発達した科学技術に支えられた世界であると同時に、技術革新のない世界がStar Warsの世界観だ。科学と魔法は同義であり、フォースは神秘的なエッセンスとなる。

星々の間を短時間で移動できるにもかかわらず、通信手段だけは限定的だ。それはひとつの制約としての設定なのだろう。情報ネットワークが不完全であるために、ルークの活躍した時代の話が神話として成立している。

ともあれ、Star Warsの新たな神話は始まった。
2~3年おきに新作が作られると思うが、今後の展開を楽しみにしている。

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