温暖化についての、考古学的な知見のレポート記事。
同じようなことは過去記事にも書いていたが、地球は温暖化と寒冷化を繰り返している。どこを基準に、どこを切り取るかで、解釈は違ってくるという例。
地球温暖化は古代から進んできたのか、それとも寒冷化に逆らう傾向なのか? | 地球規模の包括的なアセスメントから見えてきたこと | クーリエ・ジャポン
過去100年で、地球の平均気温は摂氏1度ほど急上昇した。その証拠に対する反論の余地はほぼない。それは世界中の温度計やその他の検出器から集められたものだからだ。
だが、産業革命が起こり、温度計が発明され、人間が化石燃料を燃やして、熱を閉じ込める二酸化炭素を大気中に放出し、気候を温暖化させる何千年も前はどうだったのか? その頃、地球の気温は温暖化していたのか、それとも寒冷化していたのか?
科学者たちは直近の6000年間について、ほかのどの数千年間より知識を持ってはいるものの、こうした長期的な地球の気温傾向に関する研究からは、対立する結論がさまざまに導き出されてきた。
(中略)
太陽を周回する地球の軌道の長期的な変動、温室効果ガスの濃度、火山噴火、太陽の熱エネルギーの強さなど、気候に影響する自然発生的な作用についても注意深く検討した。
さらには、植生や海氷の変化など地球の気温に影響しうる、重要な気候フィードバックも分析した。たとえば、いまから6000年ほど前の時期、北極圏の海氷は19世紀より少なく、植生はより多かったことを示す強力な証拠がある。そうだとすると、地球の表面は暗くなり、熱をより吸収していただろう。
地球が温暖化しているいまから6000年前、地球の気温傾向はどうだったのか。この問いをめぐって、私たちの2種類の証拠は異なる答えを提供している。
天然のアーカイブが広く示すのは、およそ6000年前の地球の平均気温が19世紀の平均と比べて摂氏0.7度ほど暖かく、それから産業革命まで徐々に涼しくなっていったということだ。ほとんどの証拠がこの結果を指し示している。
重要なポイントにアンダーラインを引いた。
これに限らず、現代よりも温暖だった時代があることは、考古学的に知られている。現代の温暖化が人為的なものだとしても、基準とされる産業革命前は寒冷化していた時代なので、そこを基準にしてしまうと、いかにも温暖化で大変なことになっていると早合点してしまう。
短期的(数十年)には温暖化で絶滅する種も出てくるだろうが、長期的(数千年〜数万年)には温暖化で繁栄する種も出てくる。植物にとっては、二酸化炭素は多い方が生存に適しているともいわれる。
6000年前というのは、日本では縄文時代前期であり、トラキア(現在のブルガリアあたり)の黄金文明が約7000〜5000年前、エジプト初期王朝時代が約5000年前なので王朝時代の始まる前。
つまり、温暖化は人類が初めて経験するわけではないということ。
環境問題でもっと問題にすべきは、森林の伐採とプラスチック汚染ではないかと思う。
森林の破壊は、たんに樹木の伐採が問題なのではなく、森林を形作る環境が消失することで、雨が降らなくなり乾燥化に拍車がかかることだ。
雨が降らないと、真水が枯渇する。日本は水資源が豊富なので実感がわきにくいが、世界では水不足が深刻になっている。
脱炭素のことばかりが話題になるが、脱炭素を実現するためのリチウムが足りない、銅が足りない、砂が足りない……といったもろもろの問題があり、掲げている目標の実現はほぼ無理だろうと思う。
プラスチックのリサイクルもインチキだしね。
人類がもっと賢くならないと、自滅する道しかないのかもしれない。