2022年5月25日より配信が始まった、スターウォーズサーガの外伝。
第4話まで見ての感想など。
個人的には待望のシリーズだったが、物語の始まりは予想外の展開だった。
オビ=ワンはフォースが使えなくなり、落ちぶれた中年のオッサンになってしまっていた。
その情けない姿は哀れでもある。
そんなどん底から、立ち直っていく姿が描かれていくようだ。
ドラマは映画の物語につながるように作られているため、十数年後になにが起こるかを視聴者は知っている。
戦闘シーンがあっても、オビ=ワンは死なないし、まだ少女のレイア姫も生き残る。
前日譚としての物語の難しいところだ。
このドラマの肝は、オビ=ワンがいかにして偉大なジェダイになったかという、その過程だろう。
その過程には、様々な苦難があったことは想像つくが、それを視聴者にどう見せるか?
どのような苦難が待ち受けているか?
その苦難をどう乗り越えていくのか?
そこが見せ場になると思う。
しかし残念ながら、第4話までではあまり説得力のあるストーリー展開にはなっていない。
オビ=ワンは冴えないオッサンだし、場当たり的で思慮に欠ける行動をしているばかり。弟子のパダワンを持っていたマスターとしては、なんとも情けない体たらく。その原因が、ダークサイドに堕ちたアナキンのせいだとしても、情けなさすぎ。
オビ=ワンよりも存在感を放っているのが、帝国側の尋問官「リーヴァ」だ。
尋問官はジェダイの抹殺を目的としているが、帝国側にとっては正義でも、ジェダイ側から見ると悪役になる。
その悪役ぶりが際立っている。
このリーヴァを演じるモーゼス・イングラムに対する、ヘイトが起きているという。
『オビ=ワン・ケノービ』キャストへの誹謗中傷に『スター・ウォーズ』公式が呼びかけ – 海外ドラマNAVI
存在感を発揮しているモーゼスだが、配信以降、SNSには何百という差別的なメッセージが送り続けられているという。Nワード(具体的には黒人に対する差別表現と見なされる「nigger」を指すことが多い)を含む誹謗中傷の中には、「モーゼスが起用された理由は作品に多様性をもたらすためでしかない」という言葉も。
(中略)
モーゼスは本作の配信前、ルーカスフィルムの重役たちから差別主義の“「スター・ウォーズ」荒らし”からハラスメントを受ける可能性があると注意を受けていたことを米The Independentに話していた。過去にもジョン・ボイエガやケリー・マリー・トランらがこうした被害に遭っていた経験から、今回も似たような事態が起きうると予測したルーカスフィルムは「起こったら知らせてほしい。いつでも助ける」という言葉をモーゼスにかけていたようだ。
なんとも悲しい話だが、これが現実のアメリカでもある。
悪役のリーヴァが存在感を放っているから、余計にヘイトの対象になっているのだろう。帝国側ではなく、ジェダイ側の登場人物だったら、多少は違ったのかもしれない。
とはいえ、日本は外国人観光客は歓迎するけれども、移民や難民はほとんど受け入れない国だから、アメリカ以上に閉鎖的だし差別的なんだよね。
アメリカの映画やドラマでは、多様性ということで人種や国籍が違う出演者がいる。日本では、外国人が出てくること自体が珍しいので、多様性など皆無に等しい。
……と、話を戻して。
リトル・レイアは小生意気な女の子だが、将来のレイア姫を連想させるのは好感が持てる。
ダースベイダーはあの風貌で相変わらずなのは、このドラマがスターウォーズの世界観であることを端的に示している。
対して、オビ=ワンの存在感が薄いんだよね。
あるニュースソースによると、もともとのオビ=ワンの物語は、幼いルークを連れて旅をする話だったらしい。
ところが、これではマンダロリアンとベビー・ヨーダの話と被るために、変更を余儀なくされたという。
それにしても、落ちぶれたオビ=ワンの設定は、かなりガッカリだったのも事実。
「オビ=ワン・ケノービ」の物語が、今後どのように展開されていくのかは気になる。
ワクワクする展開になってほしいものだ。