アクションやバトルを盛り込んだ映画・ドラマ・アニメには、銃を使ったガンアクションが出てくる。
その描写のリアリティがあるかどうかは、本物を知っているかどうかでもある。
現場を知る専門家による解説。
創作の世界で本物のミリタリーらしさを出すにはどうすればいいのか。3人の本物による銃器や装備&戦術戦技の解説が目から鱗だった【CEDEC2021】 | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com
そんな中で解説してくれたのが、ディストラクションデバイスを使う手法。たとえば、爆発と同時に強烈な閃光と強烈な破裂音を炸裂させるフラッシュバン(スタングレネード)だ。
フラッシュバンは創作物でも定番のアイテムで、ネット上では5~6秒のあいだ動きを止められると言われたり、近くにいる人は気絶するといった情報を目にする。しかし、「こういった情報は全部嘘で、効果はせいぜい1~2秒です。現役の頃に生まれて初めてくらいましたけど、せいぜいそんなもんでした」と、説得力がありすぎる説明も飛び出した。これぞまさしく「ソースは俺」ってやつである。
長い記事だが、これはなかなか参考になる。
アメリカの映画やドラマでは、それほど違和感はないが、銃が身近にあるからだろう。
なんだったら射撃場に行って、実銃と実弾で射撃練習もできる環境だ。
しかし、日本の映画・ドラマやアニメでは、「それはないだろ」というシーンが散見される。
たいていの人は実銃を手にすることはなく、射撃経験もない。アメリカ映画を観て参考にしても、実体験にはならない。
想像だけで表現してしまうから、嘘っぽくなってしまう。
引用した部分の「フラッシュバン」は、リアルで体験した人にしかわからないことだね。
「へえー、そうなんだ」と思った。
記事中には出ていなかったが、暗闇の中で暗視装置(赤外線で見る装置)をつけているところに、閃光弾で目眩ましする……というシーンがあったりする。最近の赤外線装備は爆発などの強烈な光が発生しても、瞬時にブロックできる機能がついている。目眩まし作戦は、もはや古い。
射撃姿勢についての解説も、実際の射撃経験がないとわからない部分。
日本の映画やドラマでの、ガンアクションシーンでは、リアリティが乏しい。片手で銃を撃つシーンがあったりするが、片手では狙いが定まらず命中精度は著しく下がる。
ハンドガンの重さは、700〜1000gくらいある。わりと人気のあるベレッタ92で、950gだ。
800mlのペットボトル飲料で約800g、1リットル入り牛乳で約1000gなので、それを片手で持って振り回してみれば重量感がわかると思う。けっこう重いんだ。
よほどの腕力がないと、片手で狙いを定めるのは難しい。
冒頭の画像は、私のモデルガンコレクションの一部をテーブルに並べたもの(^_^)
ベレッタ92がこの中にあるが、すべての銃の名称を当てられる人はマニアだね。
こうして並べるとテロリストかよ……という感じだが、実銃を忠実に再現しているので、操作方法やどのように動作するのかがリアルにわかる。銃の描写のための資料として集めた。
ほとんどはエアガンではなく発火モデルで、ヘビーウェイト(HW)モデルだ。重さは実銃の8〜9割ほどあり、重量感がわかりやすい。
映画「ダーティーハリー」で、クリント・イーストウッド演じる主人公が、44マグナムのごっついリボルバーを片手で持ってぶっ放すが、あれは普通の人には無理。銃の重さは1000g超えだし、使用する弾は強力なので、反動も半端ない。
基本、ハンドガンといえども、両手で持って撃つ。狙いを定める意味と、射撃後の反動を受けとめるためだ。
日本ドラマのガンアクションといえば、古くは「太陽にほえろ!」とか「西部警察」だが、銃の扱いは雑だったね。最近の刑事ドラマでは、多少は銃の扱いがマシにはなっているものの、相変わらずリアリティは乏しい。女性刑事がごっつい銃(コルトガバメント?、重量1,130g)を片手で撃っていたりする。銃に馴染みがないからだろうね。
その点、アニメのガンアクションものの方が、銃の扱いはまとも。作ってる人たちがガンマニアなのがわかるような作り方だ。
例として、「GUNSLINGER GIRL」や「BLACK LAGOON」など。
日本国内では実銃による実弾射撃練習はできないので、映画やドラマでガンアクションをするのなら、俳優たちにアメリカで射撃練習の指導を受けさせた方がいい。
フィクションにはリアリティが必要だが、それは実体験があってこその演技だと思う。