話題になっていたSTAP細胞に、さまざまな疑惑が浮上してきた。
科学ファンとしては、この展開は悲しい。
STAP細胞、共著者が論文撤回呼び掛け 不自然との指摘相次ぎ:イザ!
論文は1月末、理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の小保方晴子・研究ユニットリーダーらが英科学誌ネイチャーに執筆。大きな話題となったが、画像に不自然な線が入っていることや、別の論文から無断で文章を引用している疑いがあることなどがインターネットなどで指摘され、理研とネイチャー誌が調査している。
研究者が女性であったために、本筋以外のところで話題になった感があったが、その本筋の信憑性が疑われることになった。
単なるミス……では済まないようなミスの連続。
科学の世界では、思い込みから間違った結論に至ることもあるが、辻褄を合わせるために、ある事実に対して誤った解釈をしてしまうのは、科学者としての資質を問われることになってしまう。
科学的な根拠とは、他者が追試しても同じ結果を得られる場合をいう。
人間だから間違うことはある。
だから、同じ条件下で追試して、他者が同じ結論に達すれば、「科学的に正しい」ということになる。
したがって、科学の世界でのねつ造は、いずればれる。誰も再現実験ができなければ、科学的根拠がないということになってしまうからだ。
発表された論文は、広く公開されるわけだから、多くの人が読み、検証する。ミスがあれば、すぐに発覚する。その検証に耐える論文にしなくてはいけないのだが、その基本すらクリアしていなかったようだ。
STAP細胞がどうこうよりも、論文の書き方、作り方そのもののレベルが低かったと思われる。
論文の完成度のレベルが低いのだから、研究の過程や実験の精度も低かったのでは?…と想像できる。つまりは、ツッコミどころ満載ということだね。
好意的に解釈すれば、STAP細胞の実験の過程で、なんらかの偶然でSTAP細胞ができてしまった。それがどうやってできたのかが明確ではないために、辻褄合わせでいくつかの要素を組み合わせてしまったのではないか?……たぶん、こんなことだろう……という推測と思い込みで。
STAP細胞が事実かどうかを証明するのは、それほど難しくはない。
作った本人が、公開実験で作ってみせればいいんだ。
第三者の立ち会いのもとで実験をして、STAP細胞ができれば、どういう条件でできるかは不明でも、できることだけは証明できる。厳密な生成過程は、そのあとで解明すればいい。
偶然できてしまった……という科学的発見は、過去にもある。なぜできるのかを解明するのに、長い時間がかかることもある。
正しい解明ができない段階では、こうではないかと推測・推論するわけだが、のちになって実はまったく違う理論で成り立っていた……ということもある。
論文がねつ造かどうかよりも、まず、STAP細胞を作ってみせることだ。
STAP細胞ができているのなら、なぜできるのかを科学的に解明すればよい。