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森保Jのサッカーは面白くない

サッカー日本代表のオーストリア遠征は、13日のパナマ戦、18日のメキシコ戦、いずれも面白くない試合だった。
もっといえば、見ていてイライラする試合だった。

決定機で、ことごとく決められないシュート。
消極的なバックパスの多さ。
凡ミスの連発。
今回招集された選手たちは、全員欧州組で所属クラブで切磋琢磨しているのではなかったか。
その経験値を出せばいいのに、なぜか萎縮しているように見えた。

記事をいろいろと読んだが、一番的確だったのは以下の記事。

森保J、オーストリア遠征2試合での”懸念点”を海外記者指摘 「戦術的な保守性が…」 | Football ZONE WEB/フットボールゾーンウェブ

前回のワールドカップ(W杯)で、日本は攻撃的で魅力的なサッカーを展開し、(相手の出来や試合のシチュエーションがあったとはいえ)主導権を握ってプレーしたが、それはもはや過去のことだ。

森保一監督が率いる日本代表は、彼がサンフレッチェ広島で築き上げたスタイルに非常に近くなっている。忍耐強く、組織的で、DFとMFでボールを保持し、ワイドに位置する選手のスピードと決定的なフィニッシャーに託すという形だ。そのなかで現状の唯一の問題点は、今の日本代表には佐藤寿人もドウグラスもいないということになる。

(中略)

今考えるべきは、日本代表の展開するサッカーが現戦力に適しているかどうかだろう。

(中略)

問題は、彼の本質的に保守的なアプローチが日本にふさわしいのかどうかだ。もちろん、アジアカップとW杯に出場することを考えれば、そこに問題はない。しかし、本大会で勝てるのか?

私は懐疑的だ。それに、日本の目標は絶対的にW杯で勝つことのはずだ。技術的にレベルが高く、競争力のある選手を揃えている一方、戦術的な保守性がチームの飛躍を妨げているのではないか。

著者はオーストラリア人ジャーナリストのスコット・マッキンタイヤー氏。
外から日本を見ているから指摘できることかもしれない。

ロシア大会で攻撃的なサッカーを展開できたのは、直前で解任されたとはいえハリル監督のお陰でもあった。ハリルに反発していた選手がいたといわれているが、それでも監督の攻撃的なサッカーは、選手たちに浸透していたのだ。西野監督は、そのベースを引き継いで、運を味方につけた。

良くも悪くも、監督の個性がチームカラーになる。
現在の代表チームは、森保カラーになっているわけだ。3バックにこだわっているのは、前述の記事にもあるようにサンフレッチェ広島時代の成功体験から来ているのだろう。
しかし、クラブチームのようにいかないのが代表チームだ。
森保監督は、そのことに気がついていないのか、あるいは代表チームをどうすれば強くできるかがわからないのではないか?
ようするに、経験不足。

森保一監督

現体制でも、ほぼW杯本戦には進める。
監督が無能で、選手まかせでもアジアではそれなりに戦えるからだ。
問題はW杯で勝てるかどうか。

選手もチームも、短期間でレベルアップできるほど簡単ではない。
あと2年では、たいした上積みはできないだろう。
現在の戦力が50だとしたら、51か52にできる程度。けっして50が100になったりはしないのだ。

森保JのままW杯本戦を迎えるなら、グループステージを突破することは難しいと予想する。組み合わせにもよるが、今、ロシア大会のときの3チームに当たったら、まず勝てそうにない。
選手の顔ぶれは新しくなったが、チームとしての総合力をロシア大会時と比べると、レベルは下がっていると思う。

南野は不調に陥っているようだし、鎌田や久保(健)の代表での覚醒はまだだし。
前線の攻撃力がぜんぜん足りない。
アジアではなんとかなっても、世界相手では難しい。

次に格上の国と対戦できるのがいつになるのかわからないが、1年後だとしても、たぶん今回と同じような戦い方になる気がする。
唯一希望があるとしたら、南野や久保がゴールを量産するようになっているかどうかだ。
それがなかったら、相変わらず勝てないチームのまま。

カタール大会は、森保監督にW杯の厳しさを経験させるための大会になりそう。
それは2026年大会の肥やしとなる。

諌山 裕

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