毎週、主要な電子ブックストアの本の数と人気ランキングを調査している記事。
楽天koboの動きを知るにはよい情報だ。

定点観測:「GALAPAGOS STORE」と「Reader Store」と「koboイーブックストア」の“蔵書点数”を比べてみた(9月28日編) (3/3) – 電子書籍情報が満載! eBook USER

 最後に、楽天の電子書籍ストア「koboイーブックストア」の点数を掲載する。条件としては、検索で言語を「日本語」にして絞り込んだ点数で、24ジャンルの点数を記載している。ジャンルごとのダブりを除いた点数は、先週から3061点増加した6万810点となり、当初の目標であった6万点に1カ月遅れで到達した。

ジャンル別では、「美術・建築」や「エンターテイメント」、「参考文献・言語」などが大幅に増える一方で、「小説・文学」は先週から2316点も減っていた。

「美術・建築」で増えているのは、青空文庫の古典的な短文が1篇ずつ本になっているもの。ページ数にすれば数ページしかない。資料的な価値はあるかもしれないが、読書を楽しむ本ではなかろう。あと、アダルト系の写真集も目立つが、中身がどの程度なのかは……わからない(^_^)。

「エンターテイメント」で増えているのは楽譜で、ほぼ9割楽譜だ(^^;)。

「参考文献・言語」で増えているのは、ウィキペディアが復活したから。復活したら表紙のパターンが変わっているが、DRMフリーの表示はない。DRMは解除したのだろうか?

6万点を超えたといっても、中身がともなってないから自慢できることじゃないと思う。青空文庫(10850点)、楽譜(14230点)、パブー( 7316点)、ウィキペディア( 501点)の本を合わせると、3万2897点となり、それだけで3万点を超えている。

つまり、実質的に書店に並んでいるような本は、2万7913点しかないことになる。
名目ではなく、実質で比較しないと、対等な電子ブックストア評価にはならない。

また、楽天が先に運営していた「Raboo」がサービスを終了することを発表したが、スタートして1年あまりで挫折したことになる。koboとだぶるから整理したのだろうが、どうせなら統合をするべきだった。Rabooのユーザーがどのくらいいたのかは公表されていないようだが、koboと統合すれば、その分加算されただろうに。

「Raboo」を開設したときの意気込みは、すごかったのだが……

「Raboo」

 

「Raboo」のサービス概要

「場所も、片付けも、もういらない」
……というのが、なんとも皮肉に、「Raboo」の場所がなくなり、もういらないと片付けられてしまった(^_^)。
koboはどのくらい続くだろうか?

どんなサービスでも、いつかは終わりを迎える。いま流行りのTwitterやFacebookでも、いつか終焉を迎えるときが来る。新しい世代、新しいサービスに取って代わられる。
せめて3年は頑張って欲しいね。
石の上にも三年
1年でやめちゃったら、使えない新卒社員と同じだよ。

Googleがタブレットを出し、電子ブックの取り扱いを始めた。まだ控えめなスタートだが、ダークホース的に頭角を現すかもしれない。
そして、待望久しいAmazonの日本語版kindle。

個人的な直感だが、モノクロの電子ペーパータブレットは、短命に終わる気がする。モノクロでは文字だけの本しか使い道がない。純粋に読書だけを楽しむ電子ブックユーザーは、少数派だろう。

カラーであれば、読書にもWEBにも動画にも使える。1台で複数のメディアに対応している方が、結局は便利だし安上がりだと思う。

楽天koboの次の目標は、年内に20万点……といっていた。
どこの電子ブックストアも達成していない、未知の領域だ。
はたして、どんな裏技、荒技を駆使して、20万点を目指すのだろうか?

諌山 裕

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