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ドラマ「ハガネの女」に見る差別の背景

 テレビドラマはあまり見ない方だが……、この記事の内容から察すると、ひどい話だ。

「ハガネの女」ドラマでトラブル 漫画家が異論唱え原作者降りる : J-CASTニュース

発達障害の男児がクラスに残るかをクラスメートの投票で――。学校がこんなことをするシーンを盛り込んだテレ朝系ドラマ「ハガネの女」の内容に反対し、漫画家が原作者を降りたと表明して波紋を呼んでいる。

「クラスに残すことを多数決で決めることにしました」

女優の吉瀬美智子さん(36)扮する小学校教諭のハガネが、担任のクラスでこう宣言すると、クラスメートから賛否の声が巻き起こり…。

 原作者の怒りは相当なもののようだ。
 それが「常識」の反応だろうと思う。
 多数決で決める……というのは、つまりは、男児の存在価値を認めるかどうかという投票だろう。
 このドラマの設定のように、特別な状況ではなくても、いじめは起こるし、仲間はずれは起こる。
 そのときに、○○君がクラスにいてもいいかどうかを投票で決める……なんてことが、あってもいいのだろうか?
 もし、自分が存在価値を問われる立場に立たされたら、どういう気持ちになるだろうか?
 そのへんの感性というか、常識感覚がテレビの中の人たち(制作スタッフ、俳優も含めて)には欠けているようだ。

 バラエティ番組には、この手の「いじめ」というか「差別」がけっこう多い。
 芸人は笑われてなんぼなのかもしれないが、いじめられ役、バカにされる役になって、笑いをとる。ときに、それが見ていて不快になることもある。そこまでするか?……と。
 ボケとツッコミという役回りは、昔からある笑いの基本ではあるが、度が過ぎると、ある人の欠点や特性を笑いにしてしまう。
 テレビがそれをやると、「あいつは○○だから、笑ってもいいんだ」といった、いじめの引き金になってしまう。○○には、侮辱や差別の言葉が入る。
 ニュース番組では、国政や社会問題に対して、偉そうなことをいっているが、ドラマやバラエティでは非常識なことをする。
 テレビの建前と本音だね。

諌山 裕

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