新たなバーチャルキャラクターが、TV等の映像メディアに登場した。
何年かごとに、このような試みが行われてきたが、いまだ成功した事例がない。
「杏梨ルネ」が登場したのが2012年だったので、5年ぶりの新人だ(^_^)。
バーチャル女子アナ「沢村碧」、ソニーが提供開始 原稿を自動読み上げ
ソニーは8月3日、バーチャルアナウンサー「沢村碧」が原稿を読み上げる「アバターエージェントサービス」の提供を始めた。テレビ局やラジオ局、番組制作会社などでの活用を見込む。利用料は月額15万円から(税別、対応PCのレンタル料金を含む)。
(中略)
沢村碧のデザインは、キャラクターデザイナーの足立慎吾さんが担当。音声合成エンジンには、声優の寿美菜子さんの音声データを活用した。
キャラクターの絵的には、ルネよりもマシになったね。
ただ、いつも思うのだが、どうしてアニメ系のキャラクターなんだろう?
今回は美少女系メガネっ子。
ま、日本的ではあるのだが。
動きに関しては、そこそこなんだけど、無駄にうなずく動作はいらないかな。そのうなずきがただのリピートなので、逆に不自然に目立ってしまう。アニメ的な絵なので、そこは口パクだけの方が気にならなくていい。リアルな人間的な動作を入れたいのなら、もっと細かな動きが必要。それが手間なのであれば、むしろ頭は動かさない方が自然。
音声については「自然な発話」としているが、滑舌はあまりよくなく、「う」「つ」「る」、「い」「き」「に」などの、母音が「い」と「う」の口をすぼめて発する音に難がある。一昔前に比べればよくなっているものの、このくぐもった発音にムズムズしてしまう(^_^)。
また、抑揚が単調なので、原稿を棒読みしている感があり、言葉がすんなりとは頭に入ってこない。
まだまだ「自然な発話」にはほど遠い。
初音ミクで十分に調教された歌は、合成音声らしさを残しつつも、耳に入りやすくなるように感情表現されている。そのために、細かな調整が必要とされる。
コンピュータプログラムだけで、沢村碧を調教して、自然な情感を出すのは困難かもしれない。だが、そこまで踏み込んでこそ、「自然な発話」に到達できる。
Pepperのようなロボット的なキャラクターであれば、舌足らずの発話でも許容しやすいが、なまじ、ビジュアルとしてのキャラクターが親しみやすいだけに、このギャップは大きい。
杏梨ルネよりは一歩前進ではあるものの、まだまだ未熟な技術だと思う。
まぁ、いろいろと試行錯誤しつつ成長するものだから、沢村碧のバージョンアップに期待したいところ。そのためにも、沢村碧をいろんな場面で使い続けて、短命に終わらせないことだ。
数年後、沢村碧がどこまで進化しているか?
今後の展開を楽しみにしている。