配信は8月8日からだったが、ようやく見終えた。
見るのが、なかなか重い作品なので、気合いを入れて見ないといけなかった。楽しい作品ではないし、キャラクターたちの苦難を見るのが辛かった。
それでも最後まで見届けたいと思わせる物語だった。
近未来の「if」の世界だが、現実世界ともリンクしているような啓示的な内容だ。
ファイナルシーズンで、ハッピーエンドになるのかと思ったが、一部はハッピーだが、すべてが解決したわけではない終わり方だった。
そこは消化不良ではあった。
このドラマを見ていて思ったのは、現実のトランプのアメリカは、ギレアデの前夜のような様相になっていることだ。
原作小説は1985年の刊行だが、Huluのドラマ版は2017年からだ。くしくも2016年からの第一次トランプ政権の時代と重なっている。トランプ政権は、超保守化、多様性の否定、女性の権利の抑圧、全体主義的傾向など、ギレアデに通じるものがある。
ドラマの中のアメリカは、旧アメリカの勢力とギレアデに分断されている。現在進行形のアメリカもまた、分断の道に進みつつあるように思える。
2017年から2025年と、8年が経っているので、主要なキャラクターたちにも8歳の年月が流れている。主人公のジューン(エリザベス・モス)は、当初は若々しい女性だったのが、さすがに歳を取ったなーと。モスの実年齢では、35歳から43歳だ。長いシリーズものの難しいところでもある。
フィクションではあるが、民主主義は脆いなと思った。ギレアデを衰退させる手段となったのは、主要な司令官を殺害することだった。結局、やってることはギレアデと大差ないというジレンマ。
ジューンは救われたが、内戦は続き、多くの人々の命が犠牲になるのだろう。
とりあえず物語は終わったが、新たな物語の始まりを示唆していた。
原作には続編があり、15年後の世界が描かれているという。そのドラマ化も検討されているようで、 2025年3月5日に出演するキャストが発表されていた。
15年経ってもギレアデは存在し、周辺国とは戦争状態らしい。
果たして、ドラマ化は日の目を見ることになるだろうか?