【レビュー】「湖へ」|Netflixドラマ

ロシア制作のSFドラマシリーズ「湖へ」を観た。Netflixで独占配信のドラマだ。
なんというか、救いが乏しい作品で、後味が悪い。

内容は、致死率の高い未知のウイルスによるパンデミックが起き、安全な場所へと逃げ惑う家族の物語。その行き先が、湖にある隠れ家となっている。

Netflixでの公開は2020年10月7日だが、原作は「ロシアのベストセラー小説で、2011年にヤナ・ヴァグナーが発表した作品」ということだ。
ドラマはロシア本国では、2019年に公開されたという。
つまり、新型コロナが世界に広まる前に制作された作品ということ。

パンデミックでモスクワが隔離のために封鎖され、感染疑いのある人々は軍によって「処分」という名の銃殺をされる。
その強権的な対処が、いかにもロシアらしい。中国もそうだけど。
軍人が略奪はするわ、強姦はするわ、市民を殺しまくるわで、やりたい放題。ドラマとはいえ、ロシアの軍人はよほど信頼されていないんだろう。
ウクライナ戦争で報道される、ロシア軍の愚行を彷彿とさせる。

登場人物は癖が強い人ばかりで、これでもかっていうくらいバカなことをするし、見ている者を不快にさせる。
パニックものであることを考慮しても、いささか辟易する展開だ。

主人公のひとりセルゲイを演じている役者は、見たことあるなと思ったら「アリサ、ヒューマノイド」にも出ていたキリル・カロ氏だった。
「アリサ、ヒューマノイド」もムカつくキャラクターの多い作品で、それがロシア・テイストなのかな? ぜんぜん違う物語ではあるが、雰囲気は似ている。

シーズン1は8話までだったが、ラストは新たな困難に遭遇するところで終わっている。
ハッピーエンドではない終わり方なので、救いがない。
昨今のロシア忌避の状況からいくと、シーズン2の公開は期待薄。

諌山 裕

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