ロボットは未来の象徴にもなっているが、使い方しだいでは脅威にもなる。
SF映画のように、ロボットが人間に反乱を起こすとかいったことではなく、ロボットだから安易に許容してしまうことで、社会を歪めてしまうリスクもある。
以下のニュースは、一見ほのぼのとしたニュースなのだが、私は違和感を感じる。
「あれれ!マスクはお持ちですか?すみませんがマスクの着用をお願いします」
マスクの装着は、愛嬌(あいきょう)のあるロボットが促すことで、トラブル防止が期待されます。新しい生活様式に合わせた飲食店向けなどの新たなロボットの開発が進んでいます。
「ペッパーがかわいいな」、という反応で見られてしまうのが気持ち悪い。
これを人間の従業員がやると、反発を招くことが予想される。
発せられる言葉は同じでも、いかめしいオッサンがいえば不愉快だし、オバサンがいえば癇に障るし、警備員の制服を着た人がいえば威圧的になったりする。
「お願い」といいつつ、マスクをしていないと通さないのであれば、これは実質的な「強制」「強要」である。
それを愛嬌のあるペッパーにいわせることのあざとさ。
そして、これはロボットによる監視でもある。
こういうロボットの使い方、使われ方に、違和感を感じていないことに危機感を感じる。
ペッパーは入力されたメッセージを発しているだけにすぎず、ペッパーに反論しても意味がないことをたいていの人がわかっている。
だから、あえて反論しようとはせず、黙って指示に従うだろう。
人を従わせるのに、これほど効果的なことはない。
しかも、強制されているという自覚ももたないだろう。
「ターミネーター」のように恐ろしいロボットが人間を支配するのではなく、可愛いロボットが人間を支配する未来が来るのかもしれない。
ロボットの管理者、あいるは為政者にとって、可愛いロボットは人心を支配する有効な手段になりえる。
政府がなにかを強制するときに、美少女ロボットが、
「みなさ〜ん、○○○○をしてね。わたしからのお願〜い♥」
と発すれば、自由も権利も放棄してしまうかもしれない(^_^)b
ただの冗談ではなく、可能性は低くない。
ロボットに寛容な日本では特に。
杞憂であればいいのだが……。