AmazonのTablet「Kindle Fire」が、タブレット市場での競争に一石どころか、爆弾を落としたようだ。
Kindle Fire登場で値下げ圧力にさらされる競合メーカー – ITmedia ニュース
Kindle Fireはカメラや3G接続などの機能が省かれているものの、GoogleのAndroidをベースにしたタブレットデバイスのメーカーにとっては死の宣告のように聞こえるかもしれない。
「タブレット市場で牽引力を得るには、価格設定はとても重要だ。iPadのライバル企業はコンテンツなしにiPadと同じ価格を設定し、ユーザーを引きつけることに失敗してきた」と調査会社Ovumのアナリスト、アダム・リーチは指摘する。
「小売りであるAmazonのビジネスモデルにより、自社デバイス販売で損をしても許されることになる。ユーザーはAmazonからデジタルコンテンツやリアルの商品をより多く購入することになるからだ」
他社も主導権を取ろうと奮闘はするのだろうが、勝敗はほぼ見えている気がする。
つまり、iPadとKindle Fire、そしてそれ以外だ。
このことは、電子書籍のデバイスとしても、2強が支配するだろうことを示唆している。
前々から書いていることだが、日本の出版社は、独自路線に見切りをつけて、早い段階でAppleとAmazonに優位な条件で提携した方がいい。勝ち馬に乗りたいのなら。
この生存競争は、かつてのビデオテープでの規格競争…ベータ vs VHS…、あるいは最近のことでいえば、Blu-ray vs HD DVDといった主導権争いに似ている。
勝敗を決めたのは、ハードとしての性能的なことではなく、どの規格がより多くのコンテンツを提供できたか(可能性があったか)、ということだった。つまり、シェア争いだ。
タブレットについては、規格争いというより、コンテンツ争いだろう。
ハードとしてのタブレットの性能の良し悪しではなく、そのタブレットを使ってなにができるか、どんなコンテンツが楽しめるか、ということが重要になってくる。
2強までは生き残れるだろうが、3番手では苦しい。
SONY TabletはiPadに次ぐ、2番手を目指していると公言していたが、Kindle Fireの登場でその可能性は低くなった。記事にもあるように、この価格ではSONYに勝ち目はない。性能や機能で比べれば、SONYの方が上だが、性能だけで選ぶデバイスではないのだ。
タブレット競争は、案外、早く決着するかもしれないね。