このところ、電子ブック関連の話題が多いが……
既存の出版社は、やってること、目指す方向が違うだろう?
……と思ってしまった記事。
出版20社、電子化推進の共同出資会社立ち上げへ – 電子書籍情報が満載! eBook USER
国内の出版社20社が電子出版ビジネスの市場拡大をサポートするための公共的なインフラとなるべく新会社「出版デジタル機構(仮称)」の設立に合意した。この冬をめどに設立を予定する。
同機構は、市場の基盤を固め、日本の電子出版物の国際競争力を確立することなどを目的に設立されるもの。基本業務として、「参加各社の出版物デジタルデータの保管業務」「対図書館ビジネスの代行」「各電子書店・プラットフォーマーに向けての配信業務」「著作権者への収益分配支援」などが挙げられている。
現時点で同機構に参加を表明しているのは、インプレスホールディングス、勁草書房、講談社、光文社、集英社、小学館、新潮社、筑摩書房、東京大学出版会、東京電機大学出版局、版元ドットコム(代表・ポット出版ほか6社)、文藝春秋、平凡社、有斐閣。設立準備連絡会議長は東京電機大学出版局局長の植村八潮氏。
今年になって、すでにいくつか類似した組織や協力関係を発表してるよね。
いったい、いくつ作れば気が済むんだ?(^^)
どうも、こういう組織は、ユーザー(読者)のために作っているというより、自分たちの既得権益を守ることを前提にしているようだ。
主に上げられている事業内容も、出版社や著作者のためのもので、「ユーザーが安価に快適にコンテンツを楽しめるようにする」といったことは挙げられていない。
早い話、ここに参加した各社は……
「抜け駆けはするな同盟」なんだろうね(^^)
各社が協力するといえば聞こえはいいが、これだけの会社が集まったら、利害関係は合わないだろうし、意見だって対立するだろう。会社によって事情はそれぞれで、足並みがそろうとは思えない。
あちらを立てれば、こちらが立たず……というのは、必ず出てくる。
まるで、政党が乱立している政治の世界のようだ。
彼らの視点は、過去の資産……つまり、すでに本として出版されているものの電子化に向けられている。絶版になったような過去の資産から、もう一度利益を出そうという魂胆(^^)。
それも必要ではあるが、もっと必要なのはこれから出す、電子ブックならではのコンテンツで、いかにヒット作を生み出すかなんだ。
ぶっちゃけ、電子ブックは個人でもできてしまう。
要は、アイデアと制作のための時間。パソコンやアプリケーションも必要ではあるが、個人でなんとかなる程度の投資だろう。
出版社が徒党を組むのは、どこかが抜け駆けして、AppleやAmazonと有利な条件で全面提携することを恐れているのだと思う。
それをやられたら、後発で足下の固まっていない他社は、脱落してしまう。
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」……というのが、この20社なのだろう。
だが、そのうち、抜け駆けするところが出てくる。
そうすると、我も我もと雪崩れていく気がする。