NHKの朝ドラ「なつぞら」
惰性で見ているが、もはや男女の恋物語が主題になり、誰と誰がくっついて、結婚そして出産というメロドラマになってしまった(^○^)
たしか、アニメーターの話だったと思うのだが……
アニメ制作の悲喜こもごも、作品を作る過程の苦労話、貧乏に蝕まれていく理想と現実のギャップ……といった「アニメ界あるある」の話はどこかへ行ってしまった。
主人公の「なつ」はすでにアニメーターとしてベテランとなっていて、夢は実現してしまった。さして苦労することなく、夢を実現してしまったから、彼女が上京した理由を忘れてしまうほどだ。
北海道から出ていくときの、あの決意と野望はなんだったのかな?
同じことを思っている人がいて、ちょっとホッとする。
失速の『なつぞら』 物語の展開力でも『おしん』と段違い|NEWSポストセブン
中だるみ感が半端ない、盛夏の『なつぞら』。7月末~8月上旬は…なつ(広瀬すず)と坂場一久(中川大志)結婚を決め、報告のために北海道へ。すると夕見子(福地桃子)と雪次郎(山田裕貴)もいきなり結婚の運びとなり、せっかくだから一緒に結婚式を、と全員集合。唐突にたくさんの登場人物が集まっての大団円的な演出にびっくりです。
中だるみというより夏バテかな。
それでも視聴率はそこそこなのは、あの時間、時計代わりにテレビを見ている人が多いからではないだろうか?
惰性視聴率だよね。
リアリティのなさ、「軽さ」を感じるのは、なつがあまり苦しんでいる描写がないからだね。
広瀬すずは可愛いとは思うが、演技力はいまいち。
創作の苦しみって、苦しんで、苦しんで、血反吐が出るほど落ち込んだりして、ある種の狂気に取り憑かれることでもある。
なつは、そういう苦しみを経験していない。
のほほんと日々を過ごして、なんとなく作品が出来上がっていく。
そんな姿勢だがら、坂場が演出をした作品はヒットしなかったんじゃないかと思うよ。
『朝ドラ『なつぞら』東京編は、ちょっとつまらない』にも書いたが、「アニメーターの仕事や日々の生活に、たいしたドラマはない」
だから、メロドラマに走るしかないともいえる。
それと、脚本家はある程度の取材はしていても、アニメ業界の実態に迫れるほど、アニメのことがわかってないから、アニメーターのドラマを書けないのだと思う。知らないことは書けないしね。
東京編の薄っぺらさに比べて、北海道に戻ると、なぜか生き生きしている。
草刈正雄の秀逸な演技に助けられている面が多々あるが、リアリティのある生活感が感じられるから、ドラマが盛り上がっているのだと思う。東京編になると、生活感が薄れてしまうのはどうしたわけか?
残り話数が少なくなってきたが、今後はなつが出産し子育てしながら作画監督を引き受けて、作品制作に取り組むという展開らしい。
でもまぁ、そんなに苦労することなく、のほほんとやってしまうのだろう(^^)
クリエイターとしての修羅場が出てくることはあるまい。そのへんは、以前放送された宮崎駿監督のドキュメンタリーを見た方がいいかもね。
最後は、坂場と一緒に作品を作って、大ヒット……というハッピーエンドの展開かな?
朝ドラはハッピーエンドしかないんだけど。