ロボット研究の最新成果の記事があった。
以前のブログ記事「ロボットは人の夢を見るか?」に書いた、その後のロボットの話。

ロボット:実在の女性そっくり 映画「サロゲート」の時代到来も間近? – 毎日jp(毎日新聞)

石黒教授とATRによるグローバルCOEプログラム「認知脳理解に基づく未来工学創成」の成果。ロボットは「ジェミノイドF」と名づけられ、女性の形で大きさは座った状態で高さ140センチ、重さ30キロ。歩くことはできないものの、みけんや、目、口、あご、肩など上半身の9カ所を空気圧の力で動かすことができる。表情のほか、首の角度を変えたり、お辞儀もできる。遠隔地にいる操作者が、ロボット自身の表情やロボット正面の状況を画面に写し出すコンピューターに向かって話しかけると、音声と操作者の表情などがインターネット回線経由でロボットに伝わり、同時進行で再現される。

ジェミノイドF

動画も公開されているが、見てみると……

不気味だ(^^;)

やはり「不気味の谷」があるようだ。
造形的にリアルであるがゆえに、微妙な違いが不気味に見える。
まだまだノイズや冗長が足りない。

映画「アバター」を観たあとだと、CGとはいえ、あれだけ違和感のないリアルさを表現できるのだから、物理的なアンドロイドにも、もう少し人間味を出せるのではないかと思う。動きや表情をトレースする技術としては、近いものだと思うからだ。

前日のエントリの「セカンドライフ…仮想空間に足りないリアルさ」にも関連するが、リアルとバーチャルの違い、作り物と現実の違いのようなものが、人間に似せようとするロボットにもあるように思う。

「実在の女性そっくり」……というところに、ポイントがある。
「そっくり」ということは、違いがあると認識されているからだ。
究極的には、区別がつかない、あるいはどっちが本物なのか?……というレベルにならないと、不気味の谷は埋まらない。

人間に限りなく似せていくロボットの研究というのは、ひとつの方向としてこれからも進んでいくのだろう。
それが社会の中で、やがて人の代替となる役割を果たすようになるのかどうかは、わからない。

たとえば、『イヴの時間』のように。
物語としては面白いし、ロボットの発展には興味がある。
ただ、現実のロボットの進むべき道が、人間に限りなく近づいて、人間の代替になるようなものだろうか?……と考えると、それは違う気がする。

いずれは、不気味の谷を埋められるような技術に到達するかもしれない。おそらく、それは可能だ。
しかし、そういう人間と区別のつかないロボットに対して、人間は適応できるのだろうか?……と思う。

二次元の女の子に恋してしまう人がいるくらいなのだから、リアルな美少女ロボットが出てきたら……。リアルなリアクションを返してくるから、余計に思い込んでしまいそう。
人間の方が病んでしまいそうな気もする。
それこそ『イヴの時間』になってしまう。

ちなみに、美少女ロボットも「非実在青少年」の対象になるのだろうか?(^^)
……う~む、物理的に実在はしているが、人間ではないから非実在なのか?
それだったら、フィギュアや人形でも当てはまる気がする。

「青少年ロボット不健全使用禁止条例」なんて、できるのかもね。
「未成年に見える青少年ロボットに、淫らな行為をさせてはならない」とか。

そういうことが社会問題になる日が……
来るかもしれない。

諌山 裕

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