映画のほぼ全部を「長回し」風に作った、アクション映画の『カーター』を見た。
手法としては面白いし、見せ場もあった。
ただし、ストーリーはあってないようなものだった。
“こんなアングル見たことない!”驚愕のアクション映画、ネットフリックス『カーター』にド肝を抜かれる!(Safari Online) – Yahoo!ニュース
相変わらず勢いが衰えない韓国映画。その勢いを“まんま”凝縮したような新作が、いま話題を集めている。ノンストップの興奮というのはアクション映画でよくある売り文句だが、この『カーター』にこそふさわしい!
この紹介記事を読んで、興味が湧いた。
しかしまぁ、そんなにべた褒めするほどでもないというのが、見たあとの感想。
ドローン撮影を多用して、面白いアングルで撮っているのは確か。
アクションの連続で飽きさせない展開ではある。
その一方で、視点(カメラ)が常に動いているので、落ち着きのない画面になっていて、「画面酔い」を起こしてしまう。シューティングゲームでよくあるプレイヤー目線で、グラグラする画面に気分が悪くなるときの「画面酔い」だ。
私はもともと乗り物酔いをするタイプなので、この映画を見ていて「画面酔い」になり、続けて見ることができなかった。なので、3分の1ずつ、数時間の間を開けてようやく見終えた。映画館でなくてよかったよ。映画館だと途中退席するところだった。
全編を「長回し」にする必要はなかったように思う。その必要のないシーンもあったので、そういう部分は固定カメラにしていれば、もう少し落ち着きのある映画になったのではないかな。
記事中に「いったいどうやって撮影したのかわからないアクションが連発」とあるが、その人間離れしたアクションの多くはCGだね。CGと実写をうまく合成してあるのが、テクニックとしての巧さだと思う。
ところどころCGとわかるボロが出ていて、以下のシーンなどがそれ。
ここのシーンの流れはCGと実写のつなぎが不自然だったので、CGとわかってしまった。
カーチェイス、バイクチェイスのシーンも、ほとんどはCGだね。特にクラッシュシーンや爆発シーンはほぼCG。歩くゾンビが燃えるシーンもCG。
ヘリコプターのバトルシーンもCGと実写の合成だろう。
ありえないアクションが可能なのは、CGだから。
特筆すべきは、これがハリウッドではなく韓国映画だという点。ただし、それがストーリーの弱点にもなっていて、韓国と北朝鮮の戦いになっているのが、興醒めなんだ。
もうひとついえることは、映画技術において、日本は韓国にかなり後れを取っていることだ。
そこは認めざるを得ない。
この映画を観るときは、「画面酔い」にご注意あれ(^_^)b