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恋愛は「心」でするものではなく「脳」でするもの。
愛なんて結局は脳内の化学反応の変化にすぎない」ということもある。
いずれにしても、異性は気になるものではある。

職場に男だけ、女だけという環境よりも、比率はともかく男性と女性がいる方が、士気が上がるということはあるようだ。恋愛というほど強い関係ではなくても、異性がいることで脳が活性化するからだろう。

このネタは、もっと前にピックアップしていたのだが、他の記事が先になってしまっていた。

恋愛の場合には、脳の活性化はより顕著らしい……という記事。

【10】恋をすると、脳の処理能力もアップする?:NBonline(日経ビジネス オンライン)

 ところが最近の脳研究から、「愛」はもっと異なった能力も同時に私たちにもたらしてくれることが明らかになっている。恋をすると、相手に尽くす勇気が増すだけでなく、脳の処理能力も上昇するというのだ。これはカリフォルニア大学サンタバーバラ校の心理学者グラフトン博士らが昨年発表した研究である。
(中略)
興味深いことに、恋人の名前が画面にサブリミナル表示されると、紡錘状回や角回といった大脳皮質領域に加えて、モチベーションに関わる脳深部が活性化する。どうやら「恋愛」は計り知れないパワーを秘めているようだ。

なるほど、納得……という研究だ。
体験的な感覚としてはわかっていることでも、科学的に検証することは難しいという一例だろう。

と、この記事を読んで、関連する記事をどこかで読んだ気がして探した。
それが以下。

夫婦壮絶バトル!「ゴミ出しで怒り狂う女」vs「指示待ち人間になる男」|働く男女の「取扱説明書」|ダイヤモンド・オンライン

 たしかに総務省の調べでは、3歳未満の子どもがいる共働き世帯の1日あたりの家事時間は、夫が30分なのに対し、妻は3時間4分。子どもがいない共稼ぎ夫婦の場合も、夫が25分、妻が3時間3分と圧倒的に長い。
(中略)
教授によると、男性の脳は休息しているとき、ほとんど「居眠り状態」になることがある。いざというとき天敵と闘うため、あるいは危険から身を守るため、エネルギーを蓄えようとしているのだ。

「居眠り状態」の男性は、本能的な反応をつかさどる脳幹で情報処理を行っている。当然、家事をやろうなんていう気も起きない。ぼんやりテレビを見て、ごろごろしているだけだ。

ところが女性の脳は休息中も活発に活動する。情報処理が行われるのは帯状回という、大脳辺縁系の部位で感情と情動の中枢だ。

こちらは夫婦間での脳の活動だ。
もっとも、うちの夫婦には当てはまらないが(^_^)

というのは、炊事と掃除は私がやっているからだ。家事で妻がするのは洗濯だけである。洗濯は洗濯機に洗濯物を入れてスイッチを押すだけ。洗い終わったら干すだけという、単純な作業なので不器用な妻でもできるのだ(^_^)。

仕事から帰宅するのは妻の方が早い。
私が帰宅するのは、早いときでも妻より1~2時間は遅い。帰宅途中に携帯メールで帰ることを伝え、飯を炊くことを指示する。炊飯器に米を入れて炊くくらいは簡単だからだ。

最寄り駅で下車すると、駅に隣接するスーパーでおかずの材料を買って帰り、帰宅すると即座に料理を始める。
私がおかずを作らないと、晩ご飯にならないからだ。
残業になったときには、私が帰るまで妻はお腹を空かせて待っている。だから、なるべく早く帰るように心がけている。

……と、そんな話を、少し前に友人(以下)にしたところ、

「愛妻家だねー」
といわれた。
「そりゃそーさ。好きでなきゃ、20年も一緒に生活できないだろ」
Wとは古くからからの友人だが、このところ久しく会っていなかった。久しぶりに連絡をくれたと思ったら、
「ちょっと飲みに行かないか?」
「オレが下戸なのは知ってるだろうが」
「まぁ、そういわずに、オレの話を聞いてくれよ」
というわけで、仕事帰りにアルコールも出してくれるカフェで会った。
それで互いの近況を話しているときに、前述の話題になった。
「そっちはどうなんだよ? 子どもも大きくなっただろう? そろそろ高校生か?」
「なかなか大変だよ。教育費がこんなにかかるなんて、結婚前は考えてなかった。家計は四苦八苦だよ」
「話というのは、そのことなのか?」
「いや、違う」
Wはしばらく言葉を切った。話そうかどうか迷っているかのようだ。
やがて、Wは重そうに口を開いた。
「じつは、社内の人間関係で悩んでいるんだ」
私は軽くうなずいて、彼が先を続けるのを待った。彼の話し方は心得ていた。前振りが長く、なかなか核心を話さないやつなのだ。
「会社にMさんとSさんという女性がいるんだが……」
おや、女の話か。
「M嬢にS嬢か。マイクロソフトの策略か?」
「茶化すなよ。それをいうなら、MSじゃなくて、SMだよ」
「そっちに行くか?」
「サスペンス&ミステリーの方だよ、バカ(^_^)」
「自分で茶化してどうする? MSゴシップな話か?」
「なんだそりゃ? さぶっ」
「奥さんとはうまくいってるのかい?」
「まぁまぁさ。セックスレスにはなったけどね。それでも夫婦仲は円満さ」
「じゃ、愛のあるユニークで豊かな所帯だな」
「なんだそりゃ?」
「すまん。業界ネタだ。デリートしてくれ」
「Sさんは社長の秘書なんだ。秘書だからというのもあるが、四六時中社長と行動をともにしている。朝、出勤するのも一緒だし、昼も夜も食事をともにしているし、帰るときも一緒だ。だが、秘書であるだけではなく、男女の関係にあるだろうことは容易に想像がつくだろう?」
「まぁ、そうだろうね」
「社員の間では、社長とSさんは内縁の夫婦だという認識なんだ」
「それが問題なのか?」
「いや、そこにMさんが関わってくる。SさんもMさんもバツイチで現在は独身で、社長もバツイチで独身。だから、不倫とかいうことではないし、恋愛は自由だと思うよ」
「Mさんがどう関わるんだ?」
「最近、社長がSさんだけではなく、Mさんともランチやディナーに一緒に行ってるんだ。ほぼ毎日」
「なるほど、食事に誘うというのは、社内恋愛の顕著な兆候だからね。つまり、二人の女性と?」
「そこなんだよ。Mさんはうちの部署では年長の女性で、他の女性社員の実質的な上司なんだ。社長とランチに行くようになって、他の女性社員がMさんと距離を置くようになった」
「みんな察してるんだろうね」
「だと思う。オレには女性社員の間に、目には見えないが明確な線引きがされているように感じる。まずいんだよ、雰囲気が」
「女性の方が、そういうのには敏感だしね」
「社長は自分からMさんを直接誘うわけにはいかないから、SさんにMさんを誘わせている」
「複雑だな。SとMの関係が険悪なのか?」
「それが、そうでもないんだ。SとMはけっこう仲が良くて、楽しそうに会話していたりする。本音はともかく、俺たちの前では仲良しなんだ」
「Mさんと社長の関係はどこまで進んでるんだ?」
「それはわからない。想像でしかないが、たぶんエッチな関係になっているんじゃないかと。彼女の社長を見る目が違うし、話し方も以前に比べてやけにくだけた感じになった」
「社長は両手に花というわけだ」
「うらやましい話だよ」
「その社長って歳は? けっこうお盛んだな」
「50ちょっとだよ。俺たちとたいして違わない」
「へぇ~、もっとエロ爺を想像してた」
「エロも好きなんだろうが、バリバリの仕事人間だよ。でなきゃ、社長なんてやってないさ」
「まぁ、そうだろうね。君が察しているわけだから、SもMも互いが社長とどういう関係になっているか、わかっているわけだ」
「だと思う。それで納得できるのが解せないが」
「地位もお金もあるといのが要因かもね。社長の女であるということで、社内的な影響力も増すだろうから」
「その影響は出始めてるよ」
「困った問題だね」
「オレが困ってるのは、そのことじゃないんだ」
「え? というと?」
「オレは……、Mさんのことが好きなんだ」
「おいおい(^_^;」
「不倫したいとかそういうことじゃないんだ。たまにランチに行ったり、飲みに行ったり、その程度のことさ。でも、彼女が社長の女だとすると、軽々しく声を掛けたりできないじゃないか」
「下心がない? いつからそんな紳士になったんだ?(^_^)」
「ああ、認めるよ。下心はあったさ。ただ、彼女との距離が遠くなってしまうことが寂しいんだ」
「どうしたいんだよ?」
「自分でもわからない」
「オレに話して、少しは気が楽になったか?」
「ああ、すまん。愚痴を言いたかっただけかもしれん」

かなり脚色しているが、大筋ではそんな話だ(^^)。
その後、どうなっているのかは知らされていない。

学生時代はクラスメート、会社に入れば社内の男女関係というのは、恋愛に発展するかどうかは別にしても、なにかと影響する。
マドンナ的な女性はたいていいるものだし、その女性の存在が社内の空気を左右したりする。

が気にしているのは、Mさんが社長の女になったことで、職場の空気が乱れていることなのだろう。
職場の関係というのは、時間的なことからいえば、8時間労働で1日の3分の1、残業が4時間あれば半分をともに過ごすことになる。そういう意味では、夫婦で一緒に過ごすよりも長い時間である。
それだけ、社内の人間関係は影響力が大きいともいえる。

話が大幅にそれてしまったような気がするが、恋する脳は悩ましいのだ(^^)。

諌山 裕

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