韓国の二足歩行する人型有人ロボット「メソッド2」 だが……

韓国が開発中という、人が搭乗する二足歩行ロボット「メソッド2」の記事なのだが……
はたして、実用化されるのだろうか?

動画:二足歩行する人間型有人ロボット「メソッド2」 韓国 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

【12月28日 AFP】韓国ソウル(Seoul)南部・軍浦(Gunpo)市にあるロボット工学会社、韓国未来技術(Hankook Mirae Technology)の研究室で27日、人型有人ロボット「メソッド2(Method-2)」の動作テストが行われた。 映画『アバター(Avatar)』に登場するロボット兵器を思わせるメソッド2の高さは約4メートル。韓国未来技術は、二足歩行型の有人ロボットとしては世界初としており、有害物質から保護しなければ人が近寄ることのできない極めて危険な場所でも作業可能なロボットの開発を目指したという。

二足歩行する人間型有人ロボット「メソッド2」 韓国

▼その動画が以下。

面白いチャレンジだとは思う。
試作機だし、未完成ではあるが、頭でっかちで重心が高く、安定性はあまりよくなさそうな印象だね。

デモンストレーションでは、腕と手を操縦者が動かしているものの、歩行シーンになると人は乗っていなくて無人の遠隔操作になっている。
しかも、バランスを取るために、操縦席は左右に大きく揺れている。人が乗っていたら、かなり乗り心地は悪いだろうし、乗り物酔いするね(^_^)

あんなに操縦席が揺れると、歩行中は操縦操作ができないのでは?……と思ってしまう。
乗り物としてのロボットにするのなら、操縦席は揺れないようにしないとだめだと思う。

現状では転倒防止のために、上から吊されているが、補助ロープなしで歩行できるようにするには、まだまだハードルが高そう。

ちなみに、「二足歩行型の有人ロボットとしては世界初」と書かれているが、2005年の「愛・地球博」に、搭乗型二足歩行ロボット「i-foot」をトヨタが出品していた。

i-foot

i-footは足だけだが、階段の昇降もできたそうだ。
そのときの動画が残っていた。

この動画を見ると、なかなかスムーズに歩いている。サイズが小さいということはあるが、メソッド2よりはいい感じ。この技術を発展させられなかったのはもったいない。
少なくとも、メソッド2は搭乗型二足歩行ロボットの「世界初」ではないといえる。

メソッド2は、ロボットのタイプとしては、「装甲騎兵ボトムズ」のアーマードトルーパー(AT)だね。ATは全高が4メートル前後なので、だいたい同じくらい。ただ、ATは座って乗るのは同じでも、戦闘機のコクピットに近いスリム(窮屈)な形状になっている。

外国人「装甲騎兵ボトムズのスコープドッグは強化スーツかロボか。」: ほらみぃ

スコープドッグの内部構造

メソッド2の座席だと、搭乗席の空間を広く確保しないといけないために、頭でっかちになってしまう。その点はデメリットではないかと思う。

むしろ、足はなくてもいいのでは?
下半身はキャタピラ走行にして、腕だけ付けている方が操作性は良さそうな気がする。そうすると、ガンタンクタイプだね。

 「足は付いていない(シャア)
 「あんなの飾りです。偉い人にはそれがわからんのですよ(技術兵)

ATとは違うのだよ、ATとは」といえるほど、完成度を高められるかどうか(^_^)
現実的に考えると、転倒することもあるわけで、転倒したときに自力で起き上がれるのかどうかだろうね。起き上がれないような二足歩行では意味がないわけで、危険地域での作業では、このマシンに乗ること自体が危険になってしまう。

このサイズの搭乗型ロボットとしては、「エイリアン2」に出てきた、パワーローダーが最適解ではないかと思う。

パワーローダー

人間の四肢に装着する機体になると、ロボットというよりはパワードスーツになるが、こっちの方が利便性は高いだろうね。

ともあれ、メソッド2がどういう進化をしていくのか、興味深いところではある。

諌山 裕

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