タバコの自販機で導入される「タスポ」
先行して導入が始まった地域では、自販機の売り上げが激減しているという。
逆にコンビニ等での対面販売での売り上げが上がっているそうだ。
1700万人ともいわれる喫煙者を囲い込むことをもくろんでいた業界は、その意図とは正反対にタバコ離れを加速することになりそうだ。
そんな記事。
たばこ自販機が消える:NBonline(日経ビジネス オンライン)
タスポの作製では、専用申込書に必要事項を記入し、顔写真や身分証明書のコピーを添えて窓口に郵送する必要がある。この煩雑さを嫌う喫煙者は多い。加えて、「店頭での反応で、想定していなかった喫煙者の層が2つあることが分かった。これらの層にタスポ取得を期待するのは難しい」と鹿児島市のたばこ店主は指摘する。
第1の層は、家族に内緒でたばこを吸っている“隠れ喫煙者”だ。主婦や、子供の誕生を機に禁煙をしたことになっているはずの男性などがこれに相当する。「財布にタスポが入っていると、家族に説明がつかないと言われる」。タスポの送付先は自宅に限定されており、家族に内緒で職場などで受け取ることもできない。
もう1つが「たばこをやめたいが、やめられない」喫煙者。タスポの保有は喫煙を続ける意思表示をしたに等しく、抵抗が大きいという。
私も喫煙はするが、タスポを申し込むつもりはない。
今後は自販機でタバコを買うことはなくなるだろう。
自販機を利用することのメリットは、短時間で面倒がなく、最小限の目的を達成できることにある。また、なくなったら1箱だけ買う、という必要最小限の購入が可能なことだ。
ときに切らしてしまうこともあるが、それが自販機の時刻制限で買えない深夜だったりすると、翌朝まで我慢することもある。
ある意味、喫煙する量を自制できるというメリットもあった。
近所のコンビニでは、以前は店の外に自販機を置いてあった。それが現在では店内での対面販売へと変わっている。タスポをにらんでのことではなく、自販機が外にあると、タバコを買う客は店に入ることなく通り過ぎてしまう。店内に移動したことで、私のような客がタバコと一緒に別の買い物もするようになるからだ。
賢明な対処だと思う。
対面販売でもまったく苦にはならないが、1カートン買うかどうかは悩みどころだ。余分のストックがあると、吸う本数が増えてしまいそうだからだ。
全国導入したら、どの程度タスポが普及するかは注目だ。
先行導入したところでは、現時点で30%前後のようだ。多少増えるにしても、50%くらいかもしれない。いずれにしても、100%ということはあり得ないから、自販機の売り上げが落ちることは確実だ。
タバコ業界は、自分の首を絞めることを始めてしまった。
これを機に「禁煙」という人もいるだろう。
それはそれで、いいのかもしれない。
タバコの問題ばかり悪者にされているが、「酒」の自販機も問題だろう。
電車での喫煙は御法度になっているが、飲酒は容認されている。電車のマナーとして、携帯電話はダメ、イヤホンの音漏れはダメ、化粧はダメ……と、いろいろとダメにされているが、どうして飲酒はOKなんだろう?
帰りの電車で、ビールの缶を片手にできあがっている人にときどき出くわすが、酒臭いし、ふんぞり返ってるし、あるときなど床に寝ころんでいることもあった。携帯電話などよりも、はるかに迷惑である。
駅内店舗で酒を売っていたりするから、禁止できないという思惑があるのだろう。
鉄道会社のいうマナーも、ご都合主義なものだと思う。