ドミノ・ピザがやってる無料ピザキャンペーンが、問題になっているようだ。
「無料」という言葉に弱い消費者の心理をついた戦略だが、それに飛びつく人々がいかに多いことか。
飽食時代といわれて久しいが、そんなにピザを食べたいのか?(^_^)b
「1つ買うと2つ無料」ごみ捨て場に廃棄されるピザ 疲弊する従業員 どこが持続可能なのか(井出留美) – 個人 – Yahoo!ニュース
日本の小麦の自給率は15%だ。米国・カナダ・オーストラリアから輸入してまかなっている。莫大なコストとエネルギーをかけて運んできた小麦。それを使って、食べきれもしないピザを過剰生産し、結局はごみ捨て場に捨てている。
その「捨てるピザ」を作るために疲弊し、「死んじゃいそう」と言っているデリバリーピザの従業員。こんなことをして誰が幸せになるのだろう。何が持続可能なのだろう。これで「SDGs」(持続可能な開発目標)をアピールしていたら鼻で笑われる。ピザだけじゃない、すべての食品にいえることだ。日本は自国民が食べる食料を自給できていないのだから。
小麦に限らず、日本は食糧自給率が低いから、国際情勢や自然災害などで輸入が滞ると、食糧難になるリスクを常に背負っている。
問題なのは、政府も国民もそのことに対する危機感が乏しいことだろう。
先日のG7で、岸田首相は中東・アフリカへの食糧支援を表明していたが、他国の支援を悠長にやっている余裕があるのかと思ってしまう。
海外支援も必要ではあるが、そんな金があるのなら国内の農家をもっと支援すべきではないか?
日本の農業が衰退しているのは、農業では儲からないことが一因だ。
日本が飢える未来が、近い将来に来るかもしれない。
また、ドミノ・ピザは、SDGsのアピールはしていないようだ。
なので、井出氏の指摘は的外れではある。
逆にいえば、「SDGsなんて関係ない」という姿勢ともいえるわけで、ピザを捨てても気にしないのだろう。
そもそもSDGsというのが、胡散臭い。
過去には、リサイクルを謳いながら偽装していたり、働き方改革といいながらもブラック企業だったり、安全基準を守っているといいながらデータを改ざんしたり……と、看板だけ立派に立てていても実態は違っていた事例は多い。
SDGsも、理念はご立派だけど、どれだけちゃんと守っているのかは不透明だ。
SDGsを表明することで企業イメージのアップになるとか、利益につながるとか、それをやるメリットがなければやる企業はいない。結局のところ経済(つまり金)で動いている社会だから、儲けにならないことはやりたくないものだ。
温暖化問題でもそうだが、二酸化炭素削減が声高にいわれているのは、そこにビジネスチャンスがあると見る人々がいるからだ。その典型が、排出権取引だったりする。
SDGsも、ビジネスとして儲け話の臭いがプンプンする。
経団連がSDGsを積極的にアピールしているのは、SDGsで取り上げられる問題を心配しているというよりは、これを名目にして経済成長に生かそうとしているように見える。くそ真面目にSDGsを徹底したら、儲けにはならないと思うよ(笑)。
10年後、SDGsなんて死語になっているかもね。
「そういえば、そんなこともあったね」と。
「SDGsは儲けのため?」に続く……