CG関連のソフトウエアの技術革新も、なかなかすごいことになっている。
2Dイラストを立体アニメ化できるという「Live2D」
こりゃ、従来のアニメーターは失業するな(^^;)
もう「原作と違う」と言わせない──2Dイラストをそのまま立体アニメにする「Live2D」 世界標準目指す (1/2) – ITmedia ニュース
「描いたイラストがこのまま動けば楽しいのに!」 そんなすべての絵描きの夢を叶える技術「Live2D」の新バージョン「Live2D Euclid」が発表された。2Dイラストを原画のまま上下左右360度に立体的に動かすことが可能になり、映画やアニメなど活用の場はさらに広がりそうだ。
これが普及すると、動画アニメーターが行っていた「中割」が必要なくなる。それだけでなく、原画アニメーターすら必要なくなり、いくつかのパターンのキャラクター設定画があれば、あとは「Live2D」のオペレーターが処理することになってしまう。
つまりは、設定画を描く人以外、絵が描けなくてもいいって話。
アニメの制作現場は、一部の制作会社を除いて、薄給であるために優秀な人材が集まらず、ジリ貧の状態が長く続いていた。
毎週放送されるテレビアニメは、毎シーズン20~30本あるが、大量生産で多くのアニメーターがかかわっている。各話ごとで原画・動画のアニメーターが異なるため、ときに絵の質が落ちたり、タッチが変わったりする。往年の人気シリーズだった「ルパン三世」では、その落差が大きく、宮崎駿氏が担当した回などは、キャラクターそのものが宮崎タッチになって、異彩を放っていたものだ。
余談だが、私がアニメーターをやっていた頃、「ルパン三世」の第2期で多くの動画を描いた。懐かしい思い出というよりは、苦しかった思い出だ(>_<)ゞ
参照→「アニメーターでは食えなかった」
かなりの量のルパンを描いたはずだが、自分がどこを担当したか、ほとんど覚えていない。私が見ていたのは、机の上の白い紙(動画用紙)であり、テレビの中のルパンではなかったからだ。
最近は、背景やメカにCGを使うアニメが増え、アニメの制作方法も変わってきた。彩色はすでに完全にデジタルになり、セル画に絵の具を塗る仕事は絶滅したといってもいい。キャラクターそのものは、手描きの動画がまだ主流ではあるが、そこにもCG化の流れは来ていた。しかし、CG化したキャラの動きに、不自然さがあったりして、違和感がともなうことも少なくない。アニメの動きは、省略と誇張なので、リアルすぎる動きは、不気味の谷を生んでしまう。
手描きのアニメーターの存在価値は、アニメらしい動きを表現できることにある。それは、日本アニメにおける流儀というか、「文法」のようなものだった。そこには、アニメーターの感性とテクニックが反映されていた。
アニメーターの最後の牙城を、このアプリケーションが粉砕してしまうかもしれない。
デモを見ると、かなりの完成度だ。すべてをこれで置きかえることはできなくても、重要度の低いシーンであれば、これでこと足りる。それは、たたでさえ安いアニメの制作費の中で、さらにコスト削減、時間削減、人員削減につながる。コスト削減になった分だけ、制作現場の人たちの給料が上がればいいのだが……。
そのうち、名アニメーターといわれる人たちの手法や癖を再現できるようになれば、作画監督が誰であるかなんて、関係なくなるかもしれない。故人となったアニメーターの作風を、蘇らせることも可能かもしれない。
もっといえば、個人で大作アニメを作ることも可能になりそう。
良し悪しは別にして、「Live2D」が革新的であることは間違いないね。