Claudio_ScottによるPixabayからの画像

このところ仕事が忙しくて、ブログを書く時間がなかった。
平日は会社勤めだが、週末は副業でもあるフォトグラファーとして、撮影に出かけている。

明晰夢は、見ているだろうか?
明晰夢を見られる人は少ないそうなのだが、私の見る夢は、ほとんどが明晰夢だ。

ニュース – 科学&宇宙 – 明晰夢を見る方法、研究で明らかに – ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト(ナショジオ)

 夢の最中に「あ、これは夢だ!」と気がついたら、それは明晰夢だ。明晰夢を自然に見ることのできる人は、恐らくほんの一握りしかいない。彼らは空を飛ぶといった現実世界ではあり得ない冒険を、実際のことのように体験できるという。物語の展開を自在に操り、怖さを和らげたり刺激を増したりできる人もいる。

私にとっては普通のことなので、夢を夢と自覚しない人の方が不思議だ。
私の見る夢には、鮮やかな色彩があるし、匂いもあるし、味もあるし、音も聞こえるし、触感もあるし、加速感や重量感もある。

たとえば、空を飛ぶ夢だったら、浮遊感や加速を感じるし、風を切る感覚もある。むしろ、実際の体験よりもリアリティがあるくらいだ。

あるとき見た夢では、高重力の惑星のような環境にいて、体が押しつぶされそうな重力を感じた。SF的な夢が多いが、夢の中なので非科学的な現象は起こるものの、ある部分ではSF考証がちゃんとしていたりする(笑)。

また、夢の中の「記憶」というのがあって、普段は無意識の中に埋没しているのだが、夢を見ているときだけ思い出す記憶だ。

ある夢のシーンに自分が登場したとき。
「あ、ここは前にも来たことがある」
と、過去に見た夢の中の「場所」であることを思い出す。
夢の世界なので、同じような場所ではあっても、再び訪れたときには少しずつ違った世界になっている。
その世界をさまよいながら……
「前のときは、この先にあれがあったはずなんだが……」
と、記憶にあるものを探すのだが、それはなくなっていて、別のものが出現する。
道を歩いたり電車に乗ったりする夢も多くて、それは夢の中の街だ。

その街には、それなりのマップがあって、あそこにあの店があって、ここにはこんな建物があって……と、夢の記憶の中のマップをたよりに、どこかに向かう。
目的地に向かうのだが、夢の街のマップは訪れるたびに変化する。
「あれ~? 変わっちゃったのかな? どっちだろう?」
まるでゲームの中のダンジョンだ。

夢の中であることは自覚しているので、日常と同じように理路整然とした道筋を想定するのだが、街はころころと姿を変える。
エッシャーの無限回廊のように、どこまでいっても目的地に辿り着かない。

イメージが鮮明でリアルなので、ときどき夢の記憶とリアルな記憶を混同することがある。
リアルな街の中で、
「この道の先は、こうなっていたはず」
と、行ってみるのだが、記憶とは違う街並みだったりする。最近建て替えられたとか、そういう違いではなく、まったく異なるものだ。

夢の中の街は、リアルな街並みをベースにしているから、どこかに共通点がある。記憶は思い起こすたびに上書きされていくので、時間の経過とともに記憶は変質する。その過程で、夢の記憶とリアルな記憶が、混じり合ってしまうようなのだ。

リアルな記憶だと思っていたものが、じつは夢の記憶と一部がすり替わっていることが、ちょくちょくある。
明晰夢であることの弊害でもあるのだろう。

子ども時代の記憶で、強烈なインパクトのある記憶がいくつかあるのだが、それが現実の記憶なのか、夢の記憶なのか判然としない。

あまりに奇抜な記憶なので、現実の出来事としては無理があるように思える記憶だ。
もはや、現実だったのか夢だったのか、確かめようがない。
子どもは、現実と夢の境界線があいまいで、ほとんど区別しない。当人にとっては、どちらもリアルだからだ。

そもそも私たちが「リアル」だと認識している世界も、脳が作り出すイメージの世界だ。同じものを見ていても、見ている人によって見え方が変わるのは、見る人それぞれの脳の処理が違うことによって起こる。経験や知識の違いによって、あるものに異なった解釈をする。それを「リアル」だと認識するのが脳だ。
錯覚や誤認は、起こった事実に対して異なった認識をする脳のトリックでもある。

ナショジオの別の記事で、夢に関することに……

ニュース – 科学&宇宙 – 夢を見ると創造性が増す? – ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト(ナショジオ)

睡眠が頭の働きをスムーズにする証拠がまた1つ得られた。昼寝も効果があるらしい。今回発表された研究によると、睡眠中の夢が記憶力と創造性を高め、未来を見通す力が高まる可能性があるという。

というのもある。

明晰夢のひとつの特徴は、ある程度は自分で展開を選択できることだ。思い通りにはなかなかいかないものの、「あっちに行きたい」とか「あの場所に行きたい」と思えば、予想外の展開が待ち構えているとしても、方向性は決定できる。

夢の中のできごとが、解決のヒントになることもある。
SFの物語を書いているとき、無重力の感覚や、高重力環境下をイメージするのに、夢での体験をそのまま表現したりする。そういう意味では、創造性に寄与してくれていると思う。
明晰夢には功罪もあるが、夢を楽しむことはできる。

諌山 裕

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