電子ブックがなにかと話題になるが、紙の本の魅力がなくなったわけでもない。
「本屋」という独特な空間で、本を探す楽しみは、本好きの醍醐味だ。
本は本でも、「古本屋」はまた違った雰囲気がある。最近は足が遠のいているが、昔は古本屋の多い神保町に行くのが楽しかったものだ。埋もれた宝物を探すような感覚で、古本屋巡りをしていた。
新刊本を買うのならAmazonが便利だが、古本となるとそうもいかない。
絶版になった本を探そうとすると、なかなか見つけられない。
古本の本棚の写真を、そのままネット上で販売できるシステムにしているネット書店の記事。
ネットと古書店の棚がリンク? 古書通販のパイオニアが語る新サービスの今とこれから (1/2) – ITmedia eBook USER
買いたい本が決まっている人は、Amazonなどで検索して買うことが多いと思います。すぐ買うことができて、便利ですからね。ただ、それとは別に、「本を探す・発見する楽しみ」もあると考えています。欲しい本を早く安く買いたいという欲求と、欲しい本は決まっていないが、自分の知らない本に出会いたいという2種類の欲求が存在するということです。
そこで、書棚という、書店さんが作る1つの宇宙空間のような世界を、ネット上で見られるようにしたら面白いんじゃないかというアイデアが生まれました。検索する手間を省き、棚を見て、そこからすぐに買えるようなサービスがいい。それで「棚!見れるジャン!本!買えるジャン!」(以下、見れるジャン)というサービスを始めることになりました。
これはいいね!(笑)
ネット書店でありながら、古本屋を巡っているような感覚が、古くて新しい感覚だ。
記事中にも出ている古本の通販検索サイトの「スーパー源氏」は、初期の頃から利用していた。現在はかなり使い勝手がよくなっているが、当初はテキストベースのシンプルなシステムで、見づらいし使いにくかった(笑)。それでも、探している本が見つかっていたので重宝していた。
新刊を並べる書店は、だいたいジャンル別、作家別などで整理されているので見やすい反面、意外性のある本との出会いは少ない。
古本屋だと、いちおうのジャンル分けはしてあっても、本サイズはバラバラだし作家もバラバラで、そのランダムさで発見があったりする。
それをネットで再現したのが「棚!見れるジャン!本!買えるジャン!」
▼棚!見れるジャン!本!買えるジャン!の一例
面白い試みだと思うが、要望もある。
(1)本棚の写真を、もっと鮮明にして欲しい。
要は写真の撮り方なのだが、全般に画像が暗く、背表紙を判別できないものもある。素人写真にありがちな写真なのだが、ちょっとしたライティングの工夫で、格段に鮮明な写真にできる。また、後処理で鮮明にすることも可能だ。それほど難しくはないので、改善した方がいいと思う。
▼本棚のスクリーンキャプチャ
▼後処理で鮮明にした例(私が加工した)
(2)詳細情報に、表紙の画像は必須。
本棚の一段分をクリックすると、一段分のアップ画像が出てきて、その中の1冊をクリックすると詳細情報が出てくる。
その詳細情報に表紙画像がないのはマイナス。
重版を重ねているものは、表紙が変わっている場合があり、版数だけでは判別できないことがある。「昔の、あの表紙の本が欲しい」ということもあるので、表紙で確認したい。
(3)横スクロールができない?
PC環境、ブラウザ環境の問題かもしれないが、一段分の本棚を表示して、左右幅の全部を表示しない場合に、横スクロールができないようだ。
(4)「購入」アイコンは、上ではなく下の方がいい。
一段分の本棚を表示したとき、「購入」のアイコンが本の上に被っているのだが、それだと書名にも被ってしまうので、アイコンは下にあった方が邪魔にならなくてよい。
……ということで、まだまだ改善の余地はあるし、複数の本棚を横断的に見て回れるようなシステムにすると、もっと面白くなりそうだ。そういうシステムを開発するには、手間と時間とお金もかかると思うが、今後の展開に期待したいと思う。