ストックフォトサイトのあれこれ(25)~ストックフォトで稼ぐには

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ストックフォトサイトのあれこれ(24)の続き

ストックフォトで稼ぐには

私のサイトに検索で訪れる人たちの中で、ストックフォトに関連した検索語句を入力する人が少なくない。
最近の関連した語句を挙げると……

  1. Fotolia 審査 基準
  2. tagstock 審査
  3. ストックフォト 売れない
  4. pixta 審査
  5. マイクロストックフォト 生活
  6. シャッターストック 審査 コツ
  7. タグストックの売り上げ
  8. pixtaってどうよ
  9. アマナイメージズ 審査
  10. ストックフォト 何を撮る
  11. ストックフォト レベル
  12. ストックフォト収入

順不同で出てきたものから並べたが、審査についての検索が多く、次いで売れるかどうかの検索が多い。

審査は、それぞれのストックフォトサイトによって基準が異なる。甘いところもあれば厳しいところもある。審査の厳しいところは、写真のクオリティを重視しているところでもあり、ストックフォトとしてのブランド力は高い傾向にある。審査の甘いところは、アマチュアでも参加しやすい反面、ストックフォトを頻繁に使うデザイナー視点では「質は低いが価格は安い」という評価だ。

私の現在の本業はグラフィックデザイナーなのだが、各社のストックフォトを利用している。その経験から、主だったストックフォトサイトのクオリティと価格を図にしてみた。

▼主なストックフォトサイトの価格とクオリティのおおざっぱなイメージ

主なストックフォトサイトの価格とクオリティのおおざっぱなイメージ

主なストックフォトサイトの価格とクオリティのおおざっぱなイメージ


クオリティが高いということは、審査が厳しいことを意味する。
デザイナーとして利用する側からいえば、制作費の予算が少ない場合……つまり、クオリティをあまり求められていないときには、PIXTAやフォトライブリーを利用する。
逆に、高いクオリティを求められるときは、予算もかかりますよとクライアントに打診して、アマナイメージズやアフロを使う。

Shutterstockはクオリティが高く価格は低めではあるのだが、海外サイトであるため、日本国内向けには求める写真が乏しかったりする。また、定額制で利用すると割安ではあるのだが、実際問題として1つのサイトからそんなにたくさん使用することは希で、使わないのに定額を払うのは、あまり効率的とはいえない。

たいていの場合、1つのサイトから数点の写真を利用するので、定額制でも1点あたりの単価で考える。定額で月額3万円だとしても、1点しか使わなかったら、1点3万円ということになるからだ。

ストックフォトサイトに写真を提供するフォトグラファー視点でいうと、販売価格が安いということは、写真1点あたりでの収益も少なくなる。
趣味のカメラで稼ぎたい」という意図で、アマチュアフォトグラファーがストックフォトに参入するわけだが、稼ぐのはそうそう簡単ではない(^^;)。

アマチュアフォトグラファーの参入を積極的に促して、国内では最大規模(販売写真点数)になったのがPIXTAだ。初期の頃に参加したメンバーは、そこそこに稼いだようだ。TVの情報番組に取り上げられたりもした。その頃は、販売価格が高めの設定だったからだ。

しかし、現在は低価格・定額路線に舵を切ってしまったので、単価は下落し、フォトグラファーの手取りも激減している。かつてのように稼げる人は、ほんの一握りになった。以前からのPIXTAメンバーは、あまりの激減ぶりを嘆いている。

PIXTAのトップページを見ればわかるが……

定額制プランはこちら  素材1点39円から

……とある。

1点39円」は利用する側からいえば激安だが、フォトグラファーにはそのうち10円~15円くらいしか入らないということになる。100点売れても、たったの1000円だ。ひとりが100点売るのは、並大抵のことではない。これじゃ、稼げないのもあたりまえ。以前の価格設定であれば、100点売れれば数万円にはなっていた。

海外のストックフォトサイトは、定額制を早くから導入していた。PIXTAもそれに追随する形で、海外展開と合わせて定額制に踏み切ったのだろう。ただ、後発のPIXTAは、世界的なブランドにまでは成長しきれていないのが現状だ。価格的には渡りあえても、クオリティではかなわない。かといって、Shutterstockのように審査を厳しくすると、採用できる作品数が減ってしまう。悩ましい問題かもしれない。

ストックフォトで稼ぐにはどうしたらいいのか?

では、写真で稼ぐにはどうしたらいいのか?
一番いいのは、プロとして撮影を依頼されるようなフォトグラファーになることだ。プロといってもピンキリだが、街の写真館から写真集を出すような著名な写真家まで、写真で生計を立てている人はプロだといえる。

ストックフォトだけで生計を立てるのは、かなり難しいだろう。
しかし、不可能というわけでもない。

ある海外サイトでは、1つの写真で家が建つほど稼いだという例もある。海外サイトの利点は、低価格ではあるものの、マーケットが全世界なので、数多くのダウンロードがあれば一攫千金も夢ではないということだ。とはいえ、そういうのはレアケース。

現実的に、生計を立てられる金額として、月に20万~50万円くらいなら、ある程度の目標は立てられる。そのためには、いくつかの条件が想定できる。

(1)販売価格の高いサイトを選ぶ
(2)ブランド力の高いサイトを選ぶ
(3)クオリティの高い写真を撮る
(4)多様なニーズに対応した写真を撮る
(5)販売点数は、最低でも1万点以上を目指す

この5つ。
(1)(2)は、前述の図を見ればわかると思う。
(3)~(5)は、自身の努力次第。

私はいろいろなサイトを試していたが、現在はアマナイメージズ1本だ。上記の段階のうち、(4)まではきていて、(5)の1万点達成を目指しているところだ。

作品数の量は重要で、多ければ多いほど、検索でヒットする確率が上がるわけだし、ユーザーが探している写真として目にとまる可能性が高くなる。
アマナイメージズの場合、326万点(2014年12月現在)あまりの写真があるわけだが、1万点あっても326分の1でしかない。これはユーザーの目に触れる確率でもある。実際には、なにを求めているのかで違ってくるが、作品数が多いほど、買ってくれる可能性が高まる。

また、(3)クオリティの高い写真を撮る……には、撮影機材にもこだわる必要がある。コンデジではおのずの限界があるし、一眼レフは必須。一眼レフにもいろいろあるが、APS-Cよりはフルサイズ、レンズも性能のよいものが必要になる。

アマナイメージズの場合、1つ1つの写真について、カメラ機種とレンズ機種の申告をする。プロユースが前提なので、クオリティの中に撮影機材のスペックが求められる場合もあるからだ。
撮影テクニックもさることながら、撮影機材がクオリティを大きく左右する。

現状、私の作品数は3300点ほどだが、それでも月に4~6万円の売上にはなっている。単純計算すると、1万点を超えれば、3倍の12~18万円にはなる(^_^)。
月に20万円という目標は、それほど遠くはないと思っている。

ただ、アマナイメージズは審査も厳しいので、提出した作品がすべて販売されるわけではない。過去、大量にボツになっている(>_<)。1万点を超えるには、あと2~3年はかかりそうだ。

ストックフォトで稼ぎたいと思ったら、長いスパンで……5~6年先まで考えて、どんな写真を撮るかとか、どこに撮影に行くかなどの撮影計画を立てることだね。
地道な努力が必要だ。


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