佐野氏デザインのトートバッグ、その後の展開


佐野研二郎氏デザインにまた「盗用」疑惑……の続き。

佐野氏デザインのトートバッグ問題が、盛り上がってるね(^_^)。
以下のまとめサイトが詳しい。

【まとめ】佐野研二郎パクリ疑惑画像まとめ最新 サントリートートバッグでトレパク疑惑… 盗作疑惑・似ている作品の一覧ページ 炎上【比較画像一覧】

ネット上でパクリ、盗用を指摘されたものが、取り下げられることになった。
これについて、佐野氏側が公式にトレースを認めている。

【全文】佐野研二郎氏「トートバッグ」盗用問題、スタッフがトレースしたことを認める|弁護士ドットコムニュース

今回のトートバッグの企画では、まず私の方で、ビーチやトラベルという方向性で夏を連想させる複数のコンセプトを打ちたてました。次に、そのコンセプトに従って各デザイナーにデザインや素材を作成してもらい、私の指示に基づいてラフデザインを含めて、約60個のデザインをレイアウトする作業を行ってもらいました。その一連の過程においてスタッフの者から特に報告がなかったこともあり、私としては第三者のデザインをトレースしていたものとは想像すらしていませんでした。しかし、その後ご指摘を受け、社内で改めて事実関係を調査した結果、デザインの一部に関して第三者のデザインをトレースしていたことが判明いたしました。

第三者のデザインを利用した点については、現在、著作権法に精通した弁護士の法的見解を確認しているところですが、そもそも法的問題以前に、第三者のものと思われるデザインをトレースし、そのまま使用すること自体が、デザイナーとして決してあってはならないことです。また、使用に関して許諾の得られた第三者のデザインであったとしても、トレースして使用するということは、私のデザイナーとしてのポリシーに反するものです。

何ら言い訳にはなりませんが、今回の事態は、社内での連絡体制が上手く機能しておらず、私自身のプロとしての甘さ、そしてスタッフ教育が不十分だったことに起因すると認識しております。当然のことながら、代表である私自身としても然るべき責任は痛感しており、このような結果を招いてしまったことを厳しく受け止めております。今後は、著作権法に精通した弁護士等の専門家を交えてスタッフに対する教育を充実させる共に、再発防止策として、制作過程におけるチェック項目を書面化するなどして、同様のトラブル発生の防止に努めて参りたいと考えております。

トレース」という表現が、認識の甘さというか、言い訳に聞こえる。制作環境がデジタルではなかったアナログの時代は、トレペを被せて手描きでトレースしていたんだけど、現在は画像としてコピペだからね。「トレース」ではなく「盗用」だったというべきだと思うよ。

前エントリでも書いたことだけど、今回のようなパクリ・盗用問題は、デザイン業界全体の体質や慣行であって、その中で育ってきた佐野氏やその部下たちは、当たり前のこととして仕事をしてきただけだろう。そういう環境にいると、問題意識を持つこと自体がなくなる。先輩がやってるから、後輩もやる。上司がやってるから、部下もやる。他社がやってるから、我が社もやる。
ネット時代以前は、バレることは希だったけど、ネット時代になってアイデアをパクることは簡単になったけど、バレるのも簡単になったということ。

トートバッグのデザインを佐野氏の部下がやっていたにしても、その手法は稚拙だったね。すぐバレるような使い方だから、盗用するにしてもレベルが低かった(^_^)。
取り下げられたのは8種類だが、そのどれもが特徴的なビジュアルだったので、足が着くのが早かった。逆に、残っている22点は、見た目のインパクトが乏しく、それらがパクリなしのデザインだとすると、駄作ぞろい。つまるところ、スタッフのデザインレベルが低いということでもある。

▼残っている22点。

絶対もらえるトートバック

絶対もらえるトートバック

このスタッフたちの手法は、おそらく大部分の作品に踏襲されているだろうから、残っている作品にもベースになっている作品なり商品なりがあるのではと想像する。盗用とまではいわないまでも、「参考」にしているものがありそう。
「参考」にすることは、一概に悪いこととはいえない。天才デザイナーなんて、世の中に数えるほどしかいないのだし、大部分のデザイナーは凡庸な才能しか持っていない。奇抜で唯一無二のオリジナリティのある作品なんて、そうそう簡単には作れないのだ。私も含めて(^_^)b

私が見て、下敷きになっている作品があるのではと思ったのが「傘」のデザインだ。
まとめサイトで、逆さまの傘のデザインが似ているとの指摘があったが、そういう真似ではなく、傘の形そのものに下敷きがあると感じた。

▼傘のトートバックを上下逆さまに。

トートバッグ(傘)

トートバッグ(傘)


この傘も特徴的だ。傘の曲線が、半円形の綺麗なカーブではなく、外側に向かってやや広がっている。この特長をもとに、ちょっと探してみると、似たものがあった。

▼似た傘のイラスト(ストックフォトサイトのiStock.より)

似た傘(ストックフォトサイトのiStock.より)

似た傘(ストックフォトサイトのiStock.より)


ぜんぜん似てないじゃないかといわれるかもしれないが、左右反転し幅と高さを変形して重ねると、傘のカーブがほぼ一致したんだ(^_^)。
▼傘の比較GIFアニメ

傘の比較GIFアニメ

傘の比較GIFアニメ


参考にしたであろう、もうひとつの理由が、傘の構造が間違っている(ように見える)点だ。
この傘、8本骨の傘なのだが、間違いがあることに気がつくだろうか? よ~く見て欲しい。気がついた人は、空間認識能力が高い(^_^)。

答えは以下。
▼8本骨傘の構造が間違っている?

傘の構造の間違い

傘の構造の間違い


本来、石突きを中心に対角で配置されているはずの骨の、4本目が対角になっていないように見える。これは参考元であろうiStock.の傘がローアングルからのパース(遠近法)がついているのに対して、正面から見た平面的な図ではおかしなことになってしまう。

トートバッグでは、平面的にシンメトリーになるように描き起こしているわけだが、構造の間違いが際立つ絵にしてしまったようだ。真正面から見たら、こうは見えない。本来、①と②’、①’と③’が対になるはずだが、その位置が適切なところにないと思う。

ただ、この参考元はストックフォト()なので、利用料を払っていれば問題ない。とはいえ、フランスパンの写真はストックフォトを使うことはせず無断使用しているので、大きく改変したこの参考元の画像に利用料を払っているとは思えないが。

というわけで、残っている22種類のトートバッグにも、まだまだツッコミどころはありそうだ。
私も暇人だなー(^_^)。これは昨日やっていたのだが、実際、暇だったんだ。いい暇つぶしになったよ。

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