スタートレックのワープでもまだ遅すぎる…わけでもない。


宇宙の距離感を実感できる動画があった。
スタートレックの宇宙船で飛ぶと、冥王星まで行くのにどれだけの時間がかかるか?……というものだ。
10秒で冥王星まで行けるのなら十分に速いように思うが、恒星間、銀河間の距離となるとワープ9.9でも遅い、という記事と動画なのだが……。
ちょっと待て(^_^)b

スタートレックのワープは光速の2000倍…でもまだ遅すぎる | BUSINESS INSIDER JAPAN

『スター・トレック』のSF世界では、宇宙船が「・ドライブ」により、通常は超えられない光速の限界を超えて移動できる。真空中での光速は、秒速およそ18万6282マイル(29万9792km)だ。

(中略)

そこでオドノヒュー氏は、『新スター・トレック』に登場するU.S.S.エンタープライズ号をさまざまなワープスピードで、太陽から冥王星まで飛ばしてみた。

(中略)

オドノヒュー氏は、太陽から冥王星まで、太陽系全域を移動するエンタープライズ号の飛行を描くことにした。まずはワープ1でスタートし、最終的にワープ9.9、つまり光速の2083倍まで加速する。

※webm形式の動画を再生できないときは、mp4形式でどうぞ。

(中略)

最も速いワープ9.9という速度は、現実の宇宙の物理法則で可能とされる速度の数千倍の速さだ。だが、この9.9で移動しても、天の川銀河の端から端まで移動するには96年を要するだろう(天の川銀河は、数千億個の恒星から構成されており、最新の研究によれば、幅15万~20万光年にわたって広がっている可能性がある)。現在の人間の平均寿命よりも10年近く長い時間がかかることになる。

: The Next Generation ― Technical Manual』によれば、エンタープライズ号にとって最速の「トランスワープ」(「超ワープ」とも呼ばれる)は、光速のおよそ8323倍だ。その速度で考えたとしても、銀河を端から端まで渡るには24年を要する。天の川銀河に最も近く、およそ250万光年離れているアンドロメダ銀河までのトランスワープの旅には、およそ300年の年月がかかることになる。

SFとしてのスタートレックは、ワープによって恒星間を旅するが、瞬間移動ではなく亜空間を超光速で飛行する設定になっている。そのため宇宙船から見えるワープ中の光景として、星が線状になって流れる描写がされる。

ワープという呼び名は同じでも、「宇宙戦艦ヤマト」は空間(次元)を折りたたむ「空間歪曲型ワープ」なので、ほぼ瞬間移動をする設定のため、光速の何倍という尺度は用いられない。

スタートレックでも、「スタートレック:ディスカバリー」では「胞子ドライブ」という瞬間移動型のワープを可能としている。物語上の時代設定としては、初代スタートレック(宇宙大作戦あるいはスタートレックTOSと呼ばれる)の10年前になっている。

古い時代の船でありながら、テクノロジー的には進んでいるという矛盾は、胞子ドライブの制御が難しくて汎用技術にならなかったという説明がされていた。コントロールの要として生体が必要であり、それを人間が担うことになったため、技術として転用できなかったのだろう。

ディスカバリーでは、時間移動も可能になっていたので、のちの時代設定といろいろ齟齬があった。古い時代にしたのが間違いだったと思うのだが、若きスポックを出したかったんだろうね。それはそれとして、続編を早く見たい(^_^)

▼スター・トレック:ディスカバリー シーズン1

スタートレック型ワープは、亜空間を介しての超光速なので、通常空間を光速の数千倍で飛ぶわけではない。そもそも相対性理論の制約を回避するために、亜空間を飛ぶ設定なので、上記の動画は正確ではない。

また、「最終的にワープ9.9、つまり光速の2083倍」というのは、22〜23世紀の旧ワープ係数と24世紀のワープ係数を混同しているようだ。

24世紀後期のワープ設定は以下のようになっている。

  • ワープ1(光速の1倍)
  • ワープ2(光速の10倍)
  • ワープ3(光速の39倍)
  • ワープ4(光速の102倍)
  • ワープ5(光速の214倍)/ヘカラス条約による上限速度
  • ワープ6(光速の392倍)
  • ワープ7(光速の656倍)
  • ワープ8(光速の1024倍)
  • ワープ9(光速の1516倍)
  • ワープ9.2(光速の1649倍)
  • ワープ9.6(光速の1909倍)/U.S.S.エンタープライズNCC-1701-Dの最高速度
  • ワープ9.9(光速の3053倍)
  • ワープ9.975(光速の5754倍)/U.S.S.ヴォイジャーNCC-74656の最高速度
  • ワープ9.99(光速の7912倍)/U.S.S.プロメテウスNX-59650の最高速度
  • ワープ9.9997(光速の198696倍)/亜空間通信速度
  • ワープ9.9999(光速の199516倍)/亜空間通信速度(ブースターリレー使用時)
  • ワープ10(∞)/無限の速度

……と、仮にワープ9.9999(光速の199516倍)で飛ぶと、天の川銀河系の端から端まで約194日、隣の銀河のアンドロメダ星雲(250万光年)まで、約4574日(12.5年)で行ける計算になる。ただし、このスピードが出せる船はまだ登場していないが、物語上の理論値としては可能なのだろうと解釈する。

オドノヒュー氏の動画はなかなか興味深いが、スタートレックにはもっと速い船もあるのだよ(^_^)

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