2015年6月11日、親善試合のイラク戦。
勝って当たり前の試合ではあった。アジアで苦戦しているようでは、その先は暗いからだ。

会社のサッカー好きの同僚との戦前の予想は、3-0だった。本田、宇佐美、香川で3点の計算だったのだが、本田以外はハズレ(^_^)。
勝つこと前提で、あとは内容の問題。

で、セルジオ越後さんは、相変わらずの辛口批評なのだが……

【セルジオ越後の天国と地獄】 「まやかしの快勝」だけど、大半のメディアは悪くは書けないよ。だって、ある意味でみんな“共犯者”だから | サッカーダイジェストWeb

 本当に期待外れ――。それがイラク戦の率直な印象だね。

最初に言っておきたいのは、日本の選手に責任はないってこと。宇佐美の初先発もあり、試合前こそ多少のワクワク感もあったが、フタを開けてみたらイラクのレベルがあまりにもひどかった。

(中略)

こんな試合を続けていたら、ブラジル大会の反省はいつまで経ってもできないし、今までと同じことの繰り返し。本当なら、観客が相手にブーイングしてもいいくらいだった。それなりのギャラも受け取って日本に来るアジアレベルの対戦国に対しては、契約条件に「ベストメンバー」という一文を付け加えてほしいね。

(中略)

世界各地で行なわれている他の国際親善試合を見てよ。もっと面白いよね。なんで日本だけ、こんなつまらない相手しか来ないのかな。イラクに渡したギャラじゃ強豪国は来てくれない。だからと言ってギャラを上げて強豪国を呼ぼうとすれば、協会やスポンサーの利益が飛んじゃうのだろうし、国内で負けが込めば観客数や儲けも減ってしまう可能性があるからね。

(中略)

相手がひどすぎて評価に値しない試合なのに、各メディアには「日本、完勝!」、「日本、文句なしの4発!」といった見出しが並ぶのかな。

まぁ、毎度のセルジオ節だけど、辛口というより「愚痴」だね。

ざっと、各スポーツ紙の記事を見たけど、「日本、完勝!」、「日本、文句なしの4発!」なんていう見出しは躍ってなかったね。記事の見出しは「煽る」ことを目的としているから、過剰な文句になるものだが、それでも絶賛ではなく控えめになっていた。記事の内容は、わりと冷静に試合を報じている。スポーツ紙もファンも、勝って当たり前の相手だと認識しているのだと思う。

ブラジルW杯の敗退ショックというのは、選手だけでなく、メディアやファンにも後遺症として残っているので、イラクに勝ったくらいで浮かれることはなくなっているのだろう。

アジアで勝つのは必然……、みんなそう思っているはずだ。
その点、セルジオさんの認識は甘い。ファンの目だって、肥えてきているんだよ。

記事では辛口のセルジオさんだけど、テレビ中継のハーフタイムに出演していたセルジオさんは、ニコニコと上機嫌だったね(^_^)。テレビ向けの営業スマイル&トークなのかもしれないけど、厳しいことをいうなら、テレビでもビシッといわなきゃ。本音と建て前を使い分けているみたいで、一貫性がないよ。中継中に辛辣なことをいうと、仕事が来なくなってしまうことを心配しているのかな?

試合後のイラクの監督の弁によれば……

イラク指揮官、大敗も「我々は不運」。長旅、主力の不在、情勢不安に苦悩… | フットボールチャンネル | サッカー情報満載!

 しかし、続けて「ハードラック(不運)だった。われわれは長旅で疲れていたし、米国やイングランドやスウェーデンから合流した選手もいる。最初の15分の失点は、いずれもわれわれの守備のミスだった」と時差や準備不足によるものであったことを悔やんだ。

さらに、4強に進出したアジアカップで主力としてプレーした32歳のFWユーニス・マフムードも不在だったため、「マフムード以外にも3人の主力もいなかった。彼らがいれば今回の結果は変わっていた。マフムードの代わりとなる選手がいないことはわれわれの悩みでもある」と語った。

加えて、「国内リーグもストップしており、戦争の影響も選手たちのパフォーマンスに影響を与えている」と情勢不安の状況にも悩まされていることを明かした。

言い訳ではあるが、実情の悩みでもあると思う。

前にも書いたことだが、予選で政情不安の国と対戦するのは、アジアならではの障害だ。しかも、日本はシリア、アフガニスタンの2カ国との対戦が、中立地での試合になっている。こんな状況で試合をしなくてはならないのは、アジア特有の事情だ。

政情不安があったり、国として貧しいと、サッカーの環境も低いものになってしまう。ヨーロッパの国々が強豪なのは、政治的にも経済的にも恵まれていることと無縁ではない。プロ選手として食っていけるだけの環境があれば、プロを目指す子どもが多くなり、サッカー人口が増え、才能ある選手も育ってくる。

アジアでそれらの要件を十分に満たしているのは、日本、韓国、中国くらいだ。中東のプロリーグに往年の名選手が移籍して話題になったりするが、給料未払いで退団したりもする。ジーコ監督がイラクの代表監督をしたときも、給料未払いで契約を解除したね。サッカーだけで採算が取れるレベルには達していないからだ。

アジアのサッカーのレベルアップには、政情の安定と国として豊かになる必要がある。それは、サッカーに専念できる環境を整えるということでもある。それが実現するには、50年はかかると思う。

移動距離が長いのは、日本が中東に行くときも同じ問題に直面する。往復すると、地球を半周するくらいの距離だ。
東京からイラクのバクダッドまで、直線距離で8,355kmで、往復16,710km。地球の円周は40,075kmで、約41.7%に相当する。シリアまで行くとなると約8,962kmで、さらに遠くなるところだった。南米やアフリカも端から端までは長い距離だが、アフリカで約7,900km、南米で約6,600kmだ。

実際には、飛行経路が直線ではないから、乗り継ぎなどもあって、さらに長い移動距離になる。
長距離、長時間の移動は、かなりのストレスになる。ビジネスクラスを使っても、この苦行は大変だと思う。マイルは貯まっていいだろうけど(^_^)。

強豪国と対戦することが必要なことは、誰もが思っていることだ。ファンだって、強い相手と戦う日本が見たい。

だが、逆の立場になって考えてみるといい。
FIFAランキング52位(2015年6月現在)のチームと、対戦したいと望む強豪国があるだろうか?
そんな格下とやっても意味がないと思うのではないか?

セルジオさんが、イラクみたいな格下と対戦しても意味がない、というのと同じことだ。
それが日本の置かれた立場の現実でもある。

女子の「なでしこジャパン」は、優勝候補の一角なのだから、対戦を望む国は多いだろう。そうではない男子は、対戦したいと望む国があっても、なかなか実現しにくいと思う。

当面の課題というか目標は、FIFAランキングで10位以内に入ることだ。そうすれば、世界も一目置いてくれる。だが、そこまでの道のりが遠い。アジアで勝ち続けても、大陸間格差があるから、FIFAランキングは微動しかしない。しかし、強豪国との対戦は難しい。よって、FIFAランキングのポイントを稼ぐことができない。コツコツとポイント数の少ない小遣い稼ぎをして、FIFAランキングを少しずつ上げていくしかない。だから、格下相手でも勝ち続けることが必要なんだ。

理想論だけでは、成果は達成できない。セルジオさんのいってることは「理想論」だよ。理想も大切ではあるのだが、目前の一歩一歩を進めていくためには、現実的なロードマップも必要だ。

ハリルホジッチ監督は、計画的で堅実な現実主義者ではないかと思う。
そこが、今までの監督とは違うと感じるところ。

アジア予選の突破は必然として、ロシア大会の直前に、FIFAランキングで20位以内になっていることが、世界と戦うための準備だろうね。20位以内であれば、たぶん偏差値は60を超えているはず。

参照→「【サッカー】アジアカップに敗れた日本代表が目指す道は…

偏差値が60を超えていないと、強豪国とは渡りあえないと思うよ。

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