NTTドコモが異業種と提携して、本業以外の分野で多角化を進めている……という記事。
 これ、凋落の崖っぷちのような気がする。

ドコモ“つながる”異業種 携帯市場に飽和感…手強いライバルに焦りも (1/2ページ) – SankeiBiz(サンケイビズ)

 NTTドコモが異業種と連携し、相次いで新規事業に乗り出している。13日、野菜宅配大手らでぃっしゅぼーやの株式公開買い付け(TOB)が成立し子会社化が決まったと発表。6月には健康機器大手オムロンヘルスケアと新会社を設立する。携帯電話市場の飽和感が強まる中、通信以外の企業とタッグを組むことで、新たな収益源を育てるのが狙いだ。ただ、KDDI(au)やソフトバンクモバイルが契約を伸ばし、急速に追い上げる中、将来をにらんだドコモの“多角化”が奏功するかは予断を許さない。

(中略)

 調査会社のMM総研の横田英明研究部長は「ドコモは、土管化への危機感からトータルサービスを志向している」と指摘。その上で「手を広げすぎると、本業に影響が出かねない」と警告している。

 なんか、過去に何度となく見てきたようなシナリオ。
 本業以外に多角化して失敗した例は多いが、大成功して今日も継続しているという企業は、あまり思い当たらないのだが……?
 本業を補う収益が上がればよいが、本業の足を引っ張ることが多々あるために、成功例が少ないように思う。
 「多角化によって企業価値が下がる」(ニッセイ基礎研究所)という研究論文もあるようで、安易な多角化は凋落を加速するだけになってしまうリスクもある。

 富士フイルムが、デジカメ事業と化粧品事業で、それなりの成功をおさめているが、もともとはフィルム写真時代に培った技術の応用から化粧品分野に参入しているのだし、カメラはフィルムカメラからの発展だ。まったく無関係な多角化というわけでもない。
 ドコモがやろうとしていることは、中間の経路としてケータイやスマホを使うというだけで、ドコモの技術を使って野菜を作るわけじゃない。
 つまり、サービスの仲介をしているだけで、これは他社もやっていること。すでに競合相手が多い。圧倒的なドコモユーザーの顧客を囲い込むのが狙いのようだが、わざわざドコモを経由しなくても買い物はできるわけで、価格が圧倒的に安いとかのメリットがなければ、魅力は乏しい気がする。
 Amazonや楽天市場と競争できるのか?……という話。

 「土管化」の懸念……というのがあるようなのだが、そうであるのならドコモがやるべきことは、iPhoneを超えるスマホの開発であり、もっと先の次世代スマホ……スマホの先にある新たな世界観の創出だろう。
 「iPhoneを超える」というのは、単純にスペックの話ではない。スペック越えなら現時点でも可能だ。そうではなく、iPhoneを超える「魅力的な体験」を作り出すことだ。
 iPhoneを持ってきて売れば、それなりに利益になるだろうし、顧客も戻ってくるかもしれないが、それではauやソフトバンクと大差ないことになってしまう。Appleに主導権を握られてしまうのも面白くないだろう。
 だとしたら、「iPhoneを超える」端末なりプラットフォームを作り出し、それが世界を席巻するほど魅力的なものにすることだ。しかし、Androidを使っていては、Googleを儲けさせるだけで主導権はドコモにはない。Androidそのものは無料だが、それはGoogleに呼び込むための誘い水にすぎない。要はネットに接続させれば、Googleの辿り着くわけだ。
 新世代のスマホを開発するにしても、脱Androidは必須だろう。コモディティ化されるAndroidでは、他社との差別化は難しい。じゃ、iOSやAndroidに代わる第三のOSを作れるのか?……というと、悲しいかな日本はOSで世界をリードしたことがない。
 不可能だと思っているのかもしれない。
 不可能だと思った時点で、すでに負けているのだが。
 野菜や体重計がドコモを救うのだとしたら、笑い話に思える。

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