電子書籍では「縦書き」を捨てよ

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 話題だけは先行している電子書籍だが……
 国内で乱立しているフォーマットやプラットホームは、普及を阻害する要因になっているようだ。
 それに関する記事。

【短期集中連載】電子書籍普及に立ちはだかる問題点 第4回 : IT業界動向 – Computerworld.jp

 問題はこのWeb標準において、日本語固有の組版、縦書き、ルビ、縦中横を扱う標準が存在しないことだ。書店の店頭を見ればわかるように、国内で流通する日本語書籍は、理工学書や一部の雑誌を除けば、ほとんどが縦書きとなっている。しかし、XMLやXHTMLをベースにした既存の標準では、今のところこれらを扱うことができない。これが、黒船の来襲までまだ時間がかかるのではないかと考えられる理由の1つとなっている。

 最近、縦書きの文章を読むことが少なくなった。
 せいぜい小説本くらいだが、目が悪くなったこともあって、文庫本の文字は読むのがツライ(^_^;
 縦書きが日本語の文化……というのも、わからないではないのだが、縦書きで読んでも、横書きで読んでも、読んだ感想が変わるわけではない。
 むしろ、携帯デバイスであれPC画面であれ、ディスプレイ上で読むときには、「縦書きは読みにくい

 縦書きである必然性を感じないのだ。
 私は小説を書いたりもするが、書くときはキーボードで打ってるわけで、テキストエディタで「横書き」だ。
 いちおう、縦書きになったときを想定して、数字は漢数字を使ったりもするが、基本、横書きの感覚で書いている。
 仕上がりが横書きなら、漢数字を使う必然性すらなくなる。
 縦書きが日本語の文化……というのは、詭弁だ。
 縦書きならではの「味」もあるのはたしかだが、だからといって縦書きでなくては文化が失われるとは思わない。

 昔、横書きで書くときに、右から左だったのを、逆向きに左から右にしたではないか。西洋書式に習ったということらしいが、仕様を合わせたわけだ。
 縦書きが日本の文化を守ることなら、WEBの表示も縦書きにしなくては意味がない。技術的には可能だ。
 なぜ、電子書籍は縦書きでなくてはならないのだ?
 その明確な理由を述べよ。
 横書きで表示しても、名作は名作であることに変わりはない。

 そのうち、縦書きの文章を読めない……という世代が出てくるのかもしれないが、それは時流として受け入れるしかない。
 私たちとて、100年前の書物は、すんなりとは読めない。古文は苦手だったが、昔の言葉遣い、書き方を、現代流に翻訳してもらわないと意味不明である。
 言葉とは時代とともに変化していくものだ。
 電子書籍とともに、縦書きは絶滅……するとすれば、それも時代の流れだと思うのだ。

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