ネットの昔話からこれから先のこと」の続き。

テレビのアナログ停波が2011年7月24日ということで、完全にデジタルに移行するまで残り1年半。

うちはとっくにデジタルになっているので、まだ1年半もあるのかよ?……という感じだ。フルスペックHDの40インチテレビを買ったのは、もう2年くらい前なのだ。BRAVIAの初期モデルである。

テレビ離れというか、テレビ業界の不振は、広告モデルの失速でもある。ネット配信で二次収益を上げようとしているようだが、あまりうまくいっていないようだ。
テレビではHD画質なのに、ネット配信では画質の落ちた番組を売るというのは、粗悪品販売をしているようなものだ。食品に例えれば、鮮度のいい商品がオンエア時の番組で、ネット配信は賞味期限切れだ。それで儲けようというのは、どうなのかと思う。

そんなテレビ事情に関する記事が以下。

小寺信良の現象試考:再起動が求められるコンテンツ立国日本 (2/2) – ITmedia +D LifeStyle

 これまでテレビ放送は、放送した瞬間に空中に消えていくのである、ということを前提にしてきた。いやテレビ録画などはソニーがベータマックスを作った時代からとっくに始まっているのだが、それが繋ぎ止められると分かった瞬間、本来ならばそれに対応するビジネスモデルを構築すべきであった。それをこれまで、見て見ぬ振りを続けてきたのである。

今後テレビ局が行なうべきもっとも手っ取り早い転換は、放送中のみしか計測しない視聴率からの脱却である。テレビ番組そのものの価値をそこで判断するから方向性を間違うわけで、ネットにおけるページビューに相当する新しい指標を作るべきだ。

局やクライアントは、録画によるCM飛ばしを心配するが、SPIDERを使ってみて分かったのは、常時タイムシフトが当たり前になってくると、CMなどはいちいち飛ばさないということである。面倒というのとは違う。録画したものを見ているという意識がないために、早送りできることも忘れているのである。

ビデオデッキが登場したときに、対応すべきビジネスモデルとは、どんな方法があったのだろうか?

アナログのビデオテープでは、画質の劣化が必然だったから、それをコピーされたとしても粗悪品であり、コンテンツとしての魅力や価値も劣化していた。海外にはそうしたテープが流出していたが、テレビ局は脅威には感じていなかったのだろう。

正規の市販ビデオには、コピー防止措置もあったが、抜け穴は簡単だった。ビデオテープによるタイムシフト視聴で収益を回収する術は、技術的にも難しかったように思う。

また、DVDが登場する以前は、テレビ局はまだ広告モデルで潤っていて、切迫感がなかった時代だ。ネットという流通手段もなかったために、テープのコピーの流通も物理的な手段で、量的に限界があった。

結果として、デジタル時代、ネット時代を甘く見ていたのだろう。

CMについてだが、面白いCMは見るのだよ。
HDDレコーダーでタイムシフト視聴するとき、基本的にCMはスキップさせるが、たまに面白いCMがあると、わざわざ止めて見てしまう。
それはアイデアが面白いCMであったり、物語性のあるCMだったりする。
見る方からすれば、CMもひとつの作品だ。娯楽性の高いCMには、目をとめる。CMの作り方も、工夫次第だということ。

そして、来るべきテレビの完全デジタル化では……

完全デジタル化した場合の、テレビの復権の方法は何か?

……と、考えたら、

無料放送ではなく、NHKを含めた全チャンネルにスクランブルをかけた有料放送だろう。

……と思う。
新聞と同じで、メディアとしての特性を特化することだ。

今まで無料で垂れ流してきたから、ネット時代とタイムシフト時代になって広告モデルが崩れてしまった。
だが、テレビのない生活というのは、考えられない。私たちはテレビのある生活にどっぷり浸かっている。

それを絶たれることは、おそらく多くの人が堪えられない。
そのくらいのショック療法がなければ、テレビは復権しないのではないか?

最近のテレビはLAN端子が付いていて、ネットにも接続できるようになっているから、旧来の視聴率ではなく、実際の視聴率を計測できるし、タイムシフトでの視聴率も技術的には計測可能だ。

全チャンネル有料化にする場合、痛くない料金にすることも必要だろう。また、放送局でサーバーに番組をストックしての、タイムシフトも可能だ。そのかわり、ネット上に無料番組を流すことはやめる。なぜなら、視聴者に飢餓感を起こさないと、料金を払ってまで見ようという動機にならないからだ。

当然のことながら、淘汰も起きる。キー局とローカル局という枠組みも壊れる。面白い番組は売れるが、そうでない番組は売れない。
番組の品質にも市場原理が働くだろう。

そういうシステムになれば、ダビング10なんていうナンセンスな縛りは意味がなくなる。レコーダーも不要になるかもしれない。

現状、新聞もテレビもネットの脅威を感じるあまりに、ネットに迎合して無料でコンテンツを流している。
それが自分の首を絞めていることを、もっと自覚すべきだ。

飢餓感を演出するというのは、商品の販売戦略としては常套手段でもある。「期間限定」とか「ここでしか買えない」といった希少性と話題性で売る。テレビ番組にもそうした手法は使えるのではないか?

とはいえ、ここまで劇的な方向転換はできないのだろう。
効果的な方法だとは思うのだが……。

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